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夏休み最後の週は、合流した珊瑚(さんご)と一緒に(あんず)の作業室で電子機器の点検&改良を眺めたり、プライベートビーチの浜辺で全員で水上スキーで遊んだり、気になっていた映画の続編を弥生(やよい)と杏と杏路(きょうじ)(ひいらぎ)の4人で見に行ったりして過ごした。


今日は8月31日なので、夏休みももう終わりだ。午後には別荘を出て朽木(くちき)家本邸に向かい、(さい)夏目(なつめ)(あかね)と合流してから夕方には家に帰る予定になっている。


朝早く起きて暇だったので、柊は帰りの荷物をまとめる事にする。


っとは言っても、柊の服や日用品なんかは昨日の時点で既に今日必要な分以外は杏路がまとめて車に詰め込んでいたので、柊のトランクには(あかり)に貰った別荘の鍵と浜辺で拾った貝殻で一緒に作ったフォトスタンドや柘榴(ざくろ)と一緒に絵を付けた扇子、映画のパンフレットとストラップ、皆が写った写真の綴じられたアルバムなどしか入っていない。


ちなみに、ナターリエから貰ったテディベアは昨日の内に車に積み込んである。


柊は自分の分の荷物を詰め終えてから、玄関前のロータリーで車の最終点検をしている杏路に荷物を渡して、車に一緒に乗せといてもらう。


その後はリビングで柘榴と一緒に読書をする。


キリのいい所で朝食の時間になったのでダイニングへ向かうと、灯と蒼士(そうし)は既に席についていて、弥生と(そう)もすぐに2階から降りて来た。


厨房でルイスの手伝いをしていた杏路と蒼士が朝食を配膳し終わる頃になってようやく、杏が半分眠ったままの珊瑚を背中に張り付けながら降りて来た。


杏は柊の側の空いている席に珊瑚を座らせてから、自分も珊瑚と柊の間の席に座る。


「おはよう」

「おはよ」

「珊瑚は相変わらず朝に弱いみたいだな」

「何度か声を掛けたんだが中々起きなくてな……仕方が無いので着替えさせてから背負って来た」

「お疲れさん」


弥生が杏を労った所で、杏路が杏の分の朝食を運んで来る。

杏路はお皿を並べ終わると珊瑚の肩を軽く揺らしながら声をかける。


「朝食はどうしますか?」

「……飲み物、適当に」

「すぐに用意できますから、そのまま起きておいて下さいね」

「……はい」


杏路は言葉通りすぐにピーチベースのミックスフルーツジュースとを用意して珊瑚の前に置いた。全員が席に着いた所で、朝食を始める。


今日の朝食は、クルトンたっぷりのシーザーサラダにホットサンド4種(ハムチーズ、BLT、ツナマヨ、卵)、コーンポタージュとデザートのヨーグルトムースが並んでいる。


「柊達は何時頃出るんだ?」

「俺達は13:00に出る予定です」

「少し早まっても良いなら、一緒に帰るか?」

「何時ですか?」

「12:00だな」


杏路が柊の方を見て来たので、軽く頷く。


「では本家には12:00に変更の連絡をしておきますね」

飛沫(しぶき)が迎えに来るから、車は増やさなくて良いぞ」

「分かりました」

「ではお昼は車の中でもつまめる様な物をご用意致しますね」

「おう、悪ぃな」


朝食が終わったら、柊は灯と弥生と奏と一緒に遊戯室に移動して一緒に読書をする。


柘榴はアトリエから作品を、杏と珊瑚は機材を車に積み込んでいる。

杏路は3人の手伝い、蒼士は厨房でルイスとランチボックスを作成中だ。


柊が読みたい本を最後まで読み終わっても迎えまでにはまだ時間があったので、灯の希望のもとビリヤードで灯&弥生と奏&柊に別れて対決する。


ちょうど1勝づつ取った所で、飛沫が迎えに来た。


道具を片して4人で玄関に向かうと既に他の人間は車の側で待機していた。

ロータリーには2台の車が並んでおり、前に停まっているのが灯、後ろが柊の車の様だ。


見送りに来たルイスが柊にバスケットを渡す。


「お昼に用意したおにぎりセットです。よろしければ車の中でお召し上がり下さい」

「ありがと」

「いえ、是非またいらして下さいね」

「ん」


柊は迎えに来た飛沫の車に灯と一緒に乗って、朽木家の本邸に向かう。

本邸にはまだ泊まっている親戚も居るので離れで才と夏目と茜と合流する予定だ。


「夏休みは満喫できたか?」

「ん」

「来年からもあそこは好きに使って良いぞ」

「ん、ありがと」


柊は車の中のテーブルに渡されたバスケットの中身を広げながら灯と話す。


バスケットの中には鮭と明太子と高菜のおにぎりの他に、卵焼き、たこさんウインナー、きんぴらごぼう、ミートボール、ポテトサラダが入っている。


「新しい守役候補とは上手くやれそうか?」

「多分?」

「まぁ、あくまで候補だからな……無理だと思ったら遠慮せず言えよ」

「わかった」

「あと揃ってないのは久遠だけか」

「うん」

「あの家が1番人数少ねぇかんな……まぁ、承認式の前には揃うだろ」


灯と柊が他愛ない話をしながらのんびり食事を終えて、仕事の続きをしたり読書をしたりしている内に気が付いたら本邸に着いていた。


飛沫が離れの玄関まで車を回してくれたので、荷物を片して車を降りる。

灯と柊が離れの中に入ると、才と夏目と茜が出迎えてくれた。


「ひーちゃん久しぶり、元気にしてた?」

「ん」

「ひー君、少し身長伸びたんじゃない?」

「そうか?」

「確か休み入る前は俺の胸の下ぐらいだったよな?」

「うん」

「言われてみればそんなだった気もするが……」

「灯さんはひー君とずっと一緒だったから、分かりにくいのかも」

「とりあえず、休みの間の話は中で聞こうか」


皆でリビングに移動して、お互いに休みの間をどう過ごしていたのか話し合う。


柊が自分のトランクからお土産や思い出の品を引っ張り出して色々な話をしていると、途中で車を片して来た飛沫と杏路も加わって、話が盛り上がる。


話に熱中している内に夕方になっていたので、今日はこのまま離れに泊まる事になった。

明日の朝は早めに起きて本邸から直接学校へ予定だ。


夕食には飛沫、弥生、杏、奏、蒼士、柘榴、珊瑚の他に、休暇中の(つばめ)睦月(むつき)と才の守役の(すずめ)氷歌(ひょうか)が加わって、かなり賑やかなものになった。


夕食後もデザートのアイスを食べながらリビングに移る。


その内に大人達がお酒を飲み始めた。

未成年の柊と夏目と茜の3人は、横でおつまみを分けて貰いながら話を聞く。


話が一段落したタイミングで灯の膝から降りて、才と夏目と茜と一緒に入浴する。


お風呂から上がった後は、柊と才は才が割り当てられた部屋に行く。

明日の朝は早いので、眠る事にした。


*ブクマ&評価&感想、ありがとうございます。

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