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ミトスター・ユベリーン 立ち昇る太陽  作者: カズナダ
新たな国
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結界魔法

 ビルアラモス・・・。

「ダクメーアで100万もの魔道重装歩兵団が負けた!?」


「ほぼ全員が討ち取られました。海上戦力に続き、陸上戦力も消失しました。」


「ワイズマン、敵はまだダクメーアでうろついています。今のうちに結界魔法を発動させましょう。」


 結界魔法は白魔術最高位の魔術で魔力の消耗は他とは段違いに激しく、またそれを維持し続けなければならないという、まさに最終手段であった。


「・・・。よかろう、発動を許可する。」


 ワイズマンは一瞬だけ躊躇ったが、許可を出した。


 もっとも、ビルアラモスが在る地点は魔力地脈の源泉の直上にある。なので継続発動が困難な結界魔法でも展開と維持を可能としていた。


「敵が到着する前に発動させろ。急げ!」


「御意!」


 発動は、ワイズマンの自宅の地下室で行われた。自宅と言っても個人ではなく帝国の所有物で、賢者の地位に付いた者に与えられる邸宅であった。会議が行われていた場所は、もちろんペル帝国の中枢ではあったが、あくまで政治的な中枢であり源泉からは外れていた。対するワイズマンの邸宅は魔法的な中枢であり、源泉の直上に建設されていた。


「発動させよ。」


 地下室の床に魔方陣は出現し、ワイズマンを含めた6人の最高位魔導師が呪文を詠唱する。


「ハッ!!」


 力強い覇気と共に、魔方陣が強烈な光を放ち地下室を包み込む。そして、虹色の光の柱が邸宅の天井を貫通しビルアラモスの上空3000mにまで到達。光は全方位に広がり、巨大なドームとなってビルアラモスを包み込んだ。


「ワイズマン、成功です。」


「これで我が解除の呪文を唱えるまで、ビルアラモスは安泰だ。」


 結界の発動はダクメーア平原でも確認できた。


 軍司令部は1個中隊を確認に向かわせた。


「どうなってるんだ?」


 中隊が見たものは、巨大な虹色のドームであった。渦を巻く半透明の壁の内側は確認困難であったが、建物を幾つか見ることが出来た。


「やつらの首都でしょうか?」


「首都でなくともかなり重要な都市なのだろう。陸軍100万を失ったことで守りの一手しか打てなくなったのであろうな。」


「どうやって打ち破りましょうか?」


「海岸からおよそ40km・・・。長門の主砲で届くかどうかだな。」


 海軍の持つ最大射程の『四一式45口径41センチ砲』で届くかどうかの距離、そうなれば陸軍砲兵隊の全火力をもって叩くしかない。


「何にせよ、司令部に戻って報告だ。」


 報告を受けた司令部は、結界を打ち破る為内地から新旧大小織り交ぜた全火砲を前線に配置、南方軍の到着と弾薬の集積を待って総攻撃にうつることにした。

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