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02

 ナカガワは、廊下の隅に彼を追いこんではさむように立ちはだかる。

「シェイカーのくせに」

 憎々しげな口調だった。

「何でも小汚い小細工で解決できると思ったら、大間違いだ、このバケモノ」

 あまりの言いように、彼もついかっとなる。

「そのバケモノに、汚い仕事を押し付けるのは誰ですか」

 ナカガワの顔色が変わった。

 口をへの字に曲げ、更に何か罵倒しようとこぶしを前に出した。

 だが、急にこぶしをおろす。

「何にせよ、私はオマエのようなヤツは大嫌いだ。仕事が終わったらさっさと消えろ」

 サンライズは、何か言ってやろうと口を開きかけた。

 が、ナカガワがまた強い口調で

「やめろ、って言ってるだろう?」

 とささやく。目がギラついていた。

「オレの心を読むな」

「しませんし、する気もありません」

 なぜここまで憎まれるのかさっぱり判らないが、この憎悪に満ちた思念の中に立ち入っていく気力も今はない。

 ナカガワは、声に出さずに息だけで

「オマエらは、いつもそうだ」

 そう言い捨て、くるりときびすを返し、去っていった。


 いつか支部長に聞いてみようか、あのナカガワに対していつも寛容な支部長。二人の間に何かあるのか。

 それに今、「いつもそうだ」と。

 彼は他のシェイカーについても何か知っているのだろうか。


 しかし今は、もうそんなこともどうでもよくなっていた。

 サンライズは暗い目をしたままムラカミ・タカユキの待つ面談室へと向かった。

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