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01

 にわかに、作戦課も活気づいた。

 シヴァが、教えられた住所から関連のありそうな新しい数件の住所を引っぱり出した。

 何人かが手分けをして、それぞれの所番地をたどっていく。

「ようやく、軌道に乗りましたね」

 訳知り顔のキサラギがそう言って後ろを向いたとたん、サンライズはケツを蹴飛ばすマネをして、メイさんが後ろ姿にあっかんべえをしてみせた。


 もう少しで組織の輪郭が見えてきそうなある日の午後五時過ぎ、事は起こった。


 シヴァから内線「リーダー、すぐ来る」

 走って十二秒、作戦課までのカーペットは既にすりへっているだろう。

「動いたか?」

「宅配から電話」

 ちょうどモニターから、トシエが「はぁい」と言って電話を切る音が聴こえた。

「代引きで、1234円だって」

「ボビーに連絡は」

「今、しました。宅配の先回りをすると」

「間に合うかな」

 言いつつも、サンライズもタクシーを回してもらう。

「最悪の場合、現場まで行く。後を頼む」

「気をつけて、リーダー」シヴァが顔をあげた。「本当に気をつけて」

「オマエが一人前になるまで気をつけるから」

「じゃあ、ならない」

 ばかやろう、と殴る真似をしてから、彼は急いで下に降りていった。


 宅配は予想以上に早く到着していた。業者はアパート前に停車して電話したらしい。

 ボビーが駆けつけた時には、すでにムラカミ・トシエは不在だった。

 どこですれ違ったのか姿を見なかったが、とボビーは敢えて抑えた口調でサンライズに報告する。

「駅から反対にタクシー乗り場があるので、そちらに向かったのかも、と思い直して直ぐ向かって訊いてみました、そうしたら」

 ーーああ、近所の奥さん、乗せてますよ。ええと、イドバシエキまで。

 青梅線の井戸橋駅のことらしい。八王子市だ。

「すみません、リーダー」

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