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01

 翌週明け、サンライズはまず作戦課をたずねて、村上家の電話に無事、発着信探知器がつけられたことを確認する。

 外線電話を外から故障させてNTTに連絡させるといういつもの手で、NTTに化けたスタッフ二人を家に入れて、モニタの準備を済ませていた。


「ダンナが、疑われてるんですか? 何か」

 現地に入ったスタッフがいぶかしげに訊ねた。


 見た目がその筋の人みたい、ガタイがよくて髪が短く、てっぺんが尖ってました、というよく分からない報告だった。

 寝起きなのかかなり不機嫌そうだったが、奥さんは向こうの部屋から、時々顔だけのぞかせてペラペラとよくしゃべっていたのだと。


 電話のことは、シヴァにまかせることにした。

 彼は今朝早くから作戦課の隅っこに机を借りて、電話のモニタを始めていた。


 『修理』の済んだた電話で、彼女はさっそくサークルの友人に電話をかけていた。

 ちょっと風邪っぽいので次回は休むと言っていたそうだ。


 その割には元気そうだったけどね、とシヴァ。


 かかってきたのは二件。怪しいものは今のところない、と。


 そこまで確認していたら、パーテーションの向こうからキサラギが来た。


「てめぇ、キ~サ~ラ~ギィ」

 キサラギは防衛本能はちゃんと働いているらしく、サンライズの姿をみて反射的に横に飛んだ。

「な、なんっすか」

「あの資料、ヌケだらけじゃねえかよぉ」

 作戦課の連中は、特務のリーダーに追い回されているキサラギを楽しげに見守っていた。

 シヴァも、作業の手をとめてうれしそうに追いかけっこを見物している。


「え、どこ、どこがですか」

「全てだよ、端からハシまで。オマエ、二ヶ月間、何調べてたんだよ」


 そこに救いの手あらわる。

「サンちゃん、電話。5番」

 キサラギはすんでのところで命びろいした。


「ちぇ、」

 はあはあしながら、サンライズは電話をとる。


「お電話、替わりました」

 しばらく無言で聞いていたが、

「すぐ行きます」

 電話を切った時には、すっかりキサラギへの敵意は消えていた。


「シヴァ、」

 呼ばれてすぐ、シヴァは顔をあげる。

「モニタはいつから、記録がある?」

「土曜の午前11時02分から」


 故障動作をしかけたのは金曜夜8時過ぎとの記録が残されている。

 サンライズが彼女と別れたのは、その日の午後3時半近く。


「どうしたの、リーダー」


「海老名サービスエリアで、一人撃たれた」


 周りの動きがとまった。

「いつ」

「金曜の夜遅く、死亡推定時刻は真夜中だと」

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