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戦国物語  作者: 羽賀優衣
第二章 復讐
35/41

第三十五話

翌日。

躑躅ヶ崎へと出発した。

義秀の横を国親が並走している。

常に今後の策を検討し続けている。

しばらくは落ち着こう、というのは共通していた。

美濃攻めは行うが、今回のように大軍を派遣することはない。

竹中半兵衛が何とかしてくれるだろう。

後は、足利義輝の遺児を引き取って育てるくらいか

足利幕府の威厳はなくなりつつあるが、大義名分を得るのにもってこいだ。

構想は描けている。

地盤さえ固められれば、後は動かすだけ。

残る懸念は子供が欲しいところだ。

少し前に二人目の娘が生まれたが、二人とも同じ側室が生んでいる。

他にも何人か抱いているんだが、子供がなかなか出来ない。

最低でも男子が一人はいないと、後継ぎにも困る。

養子を取るのは極力避けたい。

自然と子を出した家の権力が増してしまう。

姫は姫で悪いわけではない。

我が子ながら可愛い子ばかりで実に癒されるわけだ。

はぁ……体が怠い

思った程暴れてないからか

欲求不満だ。

槍で殺すよりも、刀を用いた方が感触が伝わってきて愉しめるが、戦では槍の方が断然有利だし、便利。

だから、槍を使っているが要求が満たされていないように感じる。

赤備え兵の逃亡者たちを斬って、少しは愉悦に浸れたが足りない。

たまには女も斬りたい。

男よりも肉が柔らかいから斬っていて心地が良い。

あぁ、幻覚なのか?

どこからか俺好みの匂いがする。

俺が今望んでいるものだ。

「殿」

国親の声で現実に帰ってくる。

ただ、匂いは幻覚ではなかった。

「全軍停止。

斥候を送れ」

血の匂いだ。

それも大量の。

嗅ぎ慣れた腐臭と鉄の混ざった大半の人が顔を顰める嫌な匂い。

「これは相当な数の人間が死んでいるな」

高揚する心を押さえつけながら、義秀は平穏を装って国親に喋りかける。

「ええ。

嫌な予感がどうにも拭えませんが」

「お前もか」

義秀はワクワクしている。

強敵と戦う事は恋人との逢瀬とさほど変わらない。

むしろ、逢瀬よりも激しく胸を燃やす。

「報告!馬場・高坂勢による奇襲により武田義信殿戦死!松平家康殿は行方不明となっております!」

ははは、やっぱりな。

絶対何かあると思っていたんだよ。

「わかった。全軍に気を引き締めるよう伝えよ。

ここより先は隊を伸ばさずにまとまって進軍する。

躑躅ヶ崎へは迂回して見通しの良い平地を行く。

急ぎ転換せよ」

とは言ったものの、既に義信が負けたとなるとこの近くに潜んでいるのだろう。

警戒を怠るわけにはいかないな。

日が沈みかけている。

松明の明かりが周囲を照らす。

「黒備え衆。

気を入れろ。

敵が現れたと見たら、俺と共に突っ込む。

出鼻を挫く」

「はっ」

「良い返事だ」

「殿。

そのような事をされては困ります」

「では、誰がやる。

俺がやるのが一番だ。

奇襲をかけられて、受け身になってはいけない。

あえて攻勢に出ることで流れをこちらに引き込める」

そう言ったところで、左側から弓矢が降って来た。

矢がちょうど本隊のすぐ後ろにいた井伊直虎の部隊に降り注ぐ。

奇襲

武田の残党。

完璧なタイミングだ。

今が一番混乱するだろう。

周囲から慌てた声が騒がしいほど聞こえる。

武田義信が死んでいたという現実に加えて、それを行った敵が突然現れたら崩れるのも仕方はないだろう。

だが、当然それを許しはしない。

義秀は刀を抜いた。

身近で騒いでいた者を斬り捨てる。


「騒がしい」


落ち着いて一言だけ。

途端に一つの波紋もない水面のように静けさに包まれる。

静かに、激情を無理やりに押さえ込んだ強烈な威圧感を伴った一言に黙らざるを得ない。

中には、震えている者もいる。

「喚いた者は斬る」

冷酷にそう告げる。

「皆、盾を持て

馬に乗り、盾を持って突っ込むぞ」

荒げたわけでもない声がやけに響く。

素早く無言で指示に従う黒備え衆を連れて、義秀は弓矢が飛んできた方向に向かっていきなり駆け出した。

「殿!

我らも続くぞ!」

国親が慌てて続く。

兵たちも総大将に遅れを取るわけにはいかないと急ぐ。

奇襲された井伊直虎の隊は混乱が収まり気配を見せない。

というより、本陣付近の兵以外は現状を把握できていない。

いきなり本陣の方で戦闘が始まったのだ。

風のような早さで伝令が巡ってそれぞれの指揮官が急いで救援に向かっている状態だ。

その中で被害が甚大なのが井伊直虎の兵。

敵の奇襲は約二千。

地理に明るい武田軍は音もなく現れ、一斉射撃の後に本隊へ攻め込んだ。

井伊隊は側面に攻撃を加えることができる場所に居たが、できなかった。

井伊直虎が矢によって落馬し重傷だ。

白の陣羽織が赤く染まって行く。

武田の矢には返しがついていて、抜こうとすると余計に傷付く。

更には鏃が緩い。

下手すると、鏃が取れて体内に残ってしまう。

その矢が右脇腹に刺さった。

鎧を貫通して、刺さっている。

余程の剛力の射手だったのだろう。

抜くこともできずに、苦痛に耐えなければならまい中で直虎は気絶していた。

それを敵の攻撃から守りながら、安全なところへ運んでいたのだ。




一方。

奇襲をしかけた馬場美濃は奇妙な光景に出くわしていた。

総大将が突っ込んでくる。

それどころか続いて敵兵が雪崩のように押しかけてくる。

兵数では僅かに負けている。

武田義信・松平家康を除いた今川軍総勢二万のうち総大将付近にいた三千が武田軍と真っ向から衝突した。

その先頭に立っているのが総大将。

狂気に満ちた笑みを浮かべて、向かってくる。

何だ、あれは?

本当に人か?

睨まれた兵が思わず後ずさりしてしまっている。

「はははははははは!!!!」

今川治部大輔は高笑いしながら、槍を横に一閃。

幾つもの首が舞う。

奇襲は失敗した。

成功に見えるが、失敗だ。

敵の動揺を誘う事には成功したが、こちらも動揺が激しい。

既に敵は立て直している。

「総大将を狙え!

奴一人を殺せば、終わる!」

高坂弾正の大声が響き渡り、一瞬だけ落ち着きを取り戻した兵も黒備えの恐怖に負ける。

それは赤備えに遭遇した時にも匹敵する。

「美濃殿、矢が尽きます」

馬場美濃に弓隊の隊長が提言する。

「そうか。

弾正!一旦引くぞ!」

「承知した!」

高坂弾正の合図で、兵が一斉に森の中へと戻って行く。

風のように早く軍隊は移動すべし、という風林火山の信念の一つに基づいて撤退。

地形を知り尽くした武田軍は追撃をうまく逃れ、山の中へと消えて行く。





義秀は去る敵の背中を見ながら、陣形を作り直した。

義秀を中心に円を描くように兵を配置した。

奇襲は必ずもう一度来る。

本隊が出向くようでは本来は負けだ。

運が良かった。

また死ななかった。

敵が去り、快楽と恐怖で震えている腕を見る。

当然だが、義秀だって戦は怖い。

敵と対峙することに恐怖を覚える。

けれど、避けずに自分から味わいに行く。

そういった状況でこそ生きている。

「国親、被害は?」

「井伊隊に被害甚大。

井伊直虎殿が負傷したとの事」

直虎が?

一瞬だけ眉が動いたが、気にしない風を装う。

「他は?」

「死傷者が21名。

負傷者は全体で百名程度かと」

「敵被害は?」

「死傷者が58名。

捕虜にしたのは80余名」

「まぁ、勝ちだな。

奇襲されてそれならば、良い。

捕虜を尋問する、お前も来い」

義秀は国親と二人で捕虜を徹底的に尋問した。

一人目は口が固かった。

仕方ないので、殺した。

二人目は、鼻を削ごうとしたら、喋った。

曰く。

武田信玄こと武田晴信は生きていて、ゲリラ戦の指揮をとっているらしい。

先の戦いで死んだのは影武者。

「最悪だな」

義秀は頭を抱えた。

予想はしていたが、面倒な展開になった。

あの戦自体に出てきていなかった。

となると、光隆らを山中に潜ませた二つの目的の内一つは確実に失敗だった。

「殿。これは伏せておけるのもそう長くないでしょう。

先に告げるべきでは?」

「だろうな。

ただ、うちの兵は一旦は戦勝の酒を味わった連中だ。

既に油断が生まれている。

奇襲をくらい、引き締まってもすぐ弛む。

武田晴信が生きていると知ればより警戒する」

「では、早速」

「待て。

だが、知らせはしない」

知らせては意味がない。

皆に知られずに武田晴信の身柄を確保したい。

例えば、先の合戦で死んだことになっていれば、武田晴信を個人的に嬲り続けても問題はない。

ただ、公に捕らえると面倒だ。

「国親、躑躅ヶ崎に行くのは後回しだ。

一旦、白山城に入り兵を休ませる。

その後、兵を率いて馬場美濃、高坂弾正を討つ」

「承知しました」

軍を城に戻す。

それ自体はなんら問題がなかった。

ただ、問題があったのは入城後だ。

武田義信が死んだ以上大義名分がない。

信濃にいる武田晴信の次男で盲目である竜芳を担ぎ上げるしかない。

竜芳を呼び出した義秀はその側近たちを買収した。

目の見えない竜芳は側近を目の代わりに使う。

そこさえ押さえれば、傀儡だ。

しかし、武田義信の味方についた国人の多くはその人柄に惚れ込んで従っていた。

雰囲気が良くない。

今のところ裏切る気配はないが、どうなるかはわかったものではない。

義秀は捕虜の武田勝頼と山県昌景の元を訪ねた。

「気分はどうだ?

見事に捨て駒にされたな」

勝頼が睨みつけるが、義秀は気にせず笑みを浮かべている。

「わしはお屋形様を信じる故。

不満などない」

「ははは、いい男だな。

山県。

戦死した飯富虎昌はお前の兄だったか?

二人も優秀な男を出すとはいい家だ」

「兄上が!?」

「何を驚く。

貴様らが殺したのだろう?」

実際は違う。

飯富虎昌は味方に殺されている。

何があったのか

突然、後ろから槍で突き殺した老兵が居た。

その老兵は長く飯富虎昌に付き従い、戦功を上げてきた。

二人は長年の友とも言える存在だった。

だが、何故か裏切った。

ずっと、謝罪の言葉を呟き、時折娘の名前もこぼしたと聞いた。

飯富虎昌を殺した後、その老兵はすぐに斬り殺された。

その混乱を敵が察知し、攻撃したため死体を敵に奪われる事態になったという。

義秀がこの老兵について他に知っていることと言えば。

その男の家出した娘が駿府で自分の寵愛を受け、側室として暮らしていることくらいだ。

「馬鹿な……兄上が……」

「赤備えといえど、人だ。

死にはする。

話を戻そうか。

武田晴信は何を企んでいる?」

「わしが知るわけがなかろう。

ただ、言われた通り全力で戦ったまでよ」

「では、武田四郎勝頼。

お前は義信が戦死した事をどう思う?」

「兄様が死んだのか?

お屋形様は殺すなとおっしゃったが」

「馬鹿め。

お前だって生け捕りの厳しさを知っていよう。

貴様らがこうして生きて捕えられたのはそうしろと言われたからだろう?

名将を二人も捕らえて舞い上がったところを狙う。

卑怯だが、実に俺好みだ。

敵の油断を誘うのにこれ以上ない餌だったな。

天下無双の武田軍団からの勝利ともなれば、頬も緩む。

おかげで死にかけた」

「ほぅ。

死ねば良かったものを」

「そう毒を吐くな。

山県昌景、武田四郎勝頼。

俺はお前らを配下にしたい」

ニヤッと笑う。

「縄を外すわけにはいかんが、俺のやり方を見ているが良い」

牢の扉を開け、二人を外に出す。

「さぁ、軍議だ。

皆を集めよ!」




軍議に集まった諸将は目を疑った。

総大将である今川治部大輔の後ろに武田家の猛将が控えている。

「全く、そういうことをなさるなら一言先にあるでしょう」

「お前は反対しただろう。

国親、こいつらは敵であった。

しかし、俺は味方にしたい。

故にこの場に置く。

聞かれて困る話もないし、逃げられもしない」

「はぁ。

そう言うのなら、いいですが」

「それでいい。

では、

一、占領地での乱暴狼藉を禁ずる

一、上を犯した者は即刻打ち首とする

これだけは徹底させろ。

今川は征服者ではない。

支配者だ。

占領地の民を傷付ける事は我が身を傷付けると同義であると知れ」

「「「はっ」」」

「馬場美濃、高坂弾正の追撃は俺と国親が行う。

お前らはしばし兵を休めた後に帰国せよ。

まぁ、以上だ。

他に何か言いたい事があるか?」

一人の比較的若い男がおずおずと手をあげる。

「非常に私事なのですが宜しいでしょうか?」

「構わん」

「実はつい先日嫡子が成人の年になりまして」

おぉ、と場は湧き上がる。

義秀もにこやかな笑みを浮かべている。

「めでたいな」

「はっ。

それで殿に名付けていただきたく」

「俺か?

困ったなぁ……

俺の名は将軍様より一字を授かった名だ。

故に『秀』の名しか与えることはできん。

それでも良いか?」

「身に余る光栄に」

「では、俺が帰国したら名と共に烏帽子を授けよう。

お前には悪いがそれまでは儀を待たせておいてくれ。

名前はそれまでに考えておこう」

「はっ!

まことありがたきお言葉!」

「ははは、これからも精進せよ」

「はいっ!」

「これにて評定を終える」

まず義秀が退出して続いて国親が後を追う。

捕虜の二人も連れられてだ。

老齢も馬場美濃は流石で表情をうまく隠していたが、若輩の勝頼は見事に出ていた。

驚きが大きい。

和気藹々。

奇襲を受けたばかりも軍とは思えない。

本隊を突かれた失態を言及することがなかった。

「これでいいんだよ、四郎勝頼。

皆疲れている。

今叱っても何にもならない。

少し時間を与えて、考えさせた方が良い」

そう言うと、国親に捕虜を接待するように命じて、一人だけ別のところへ向かった。

母屋には、この戦で怪我した者たちを集めている。

彼らを回って、一声ずつかけていく。

それが終わったら、奥の一部屋にいる井伊直虎の見舞いだ。

「元気か?」

侍女を追い出し、二人きりにして訊ねる。

「そう見えますか?」

弱々しく笑った直虎の横に座る。

「見えないな。

今回は済まなかったな。

わざわざ身代わりになってもらって」

「いえ、殿の為です」

武田の奇襲が失敗したのは先制攻撃であった弓の一斉射撃が黒備えではなく井伊隊に狙いを違った事に一因がある。

今川治部大輔の特徴は女のような顔立ちに長い髪、白の陣羽織。

大将旗がなければ、どこにいるのかわからない。

特に、あの奇襲の時は暗かった。

義秀は血染めの赤い陣羽織を着ていた。

一方の井伊直虎は前日義秀から授かった白の陣羽織を纏っていた。

武田が狙いを井伊に絞ってしまったのも仕方が無い。

元々、奇襲を予測していた義秀が自分の身代わりを頼んだというわけだ。

「そう言ってくれると嬉しい。

お前が生きてて良かったよ」

優しく手を包む。

「戦でこんな怪我をしたのは初めてだろう」

二人共に年は29だが、戦の場数は全然違う。

特に直虎は敗戦をあまり経験していない。

義秀は自分から敵陣に突っ込む為、しょっちゅう怪我をする。

「そうかもしれません。

ただ、戦が少々怖くなりました」

「まぁ、どうでもいいことを。

怖かろうが怖くなかろうが戦わねば死ぬだけだ。

そういえば、虎松は息災か?」

「ええ。ちゃんとよく育っています」

「そうか。

井伊の命運はあいつにかかっているからな。

よく育てておけ」

「はい」

返事に笑みを返したあと、義秀は握っていた手を離した。

「おっと、こんな話をしにきたのではなかった。

国親には先に伝えたんだが、足利将軍を擁立しようと考えている。

先代将軍の遺児を呼ぶ。

異存はあるか?」

「ありません」

「ならば、良い。

邪魔をしたな。

ちゃんと休め」

立ち上がって、部屋から出て行こうとする義秀の裾を直虎が掴んだ。

「なんだ?」

珍しく恥じらいを浮かべている直虎に戸惑いながら、義秀は首を傾げる。

「一度だけでいいので、頭を撫でてはいただけないでしょうか?」

「は?」

「いえ、だから、その……」

「あのな。

いい年して人の温もりが恋しいか。

さっさと夫を取れば良いものを」

「私を抱いておいてそのような事を言うのですか?」

「そうだな。

まぁ、俺も行軍中長く駿府を離れると寂しく思う時はある。

気持ちはわかる。

ただ、人の目があるところでは困る。

俺がお前の女の部分に負けて重用していると思われるのは癪だ。

甘えるのは良いが、こうして人のいない時だけにしろ」

再び座って、直虎の頭を撫でる。

直虎が義秀を見上げる。

「直虎、そういえばお前は戦が怖いと言ったな」

小さく頷く。

「俺も怖いぞ。

指揮官の立場は嫌だ。

お前もそうだろうが、自分を慕う者共に死ねと命じなければならん」

だからこそ、途中で逃げるのは許されはしない。

「怖がるなとは言わん。

怖いと思ったら、俺を見ろ。

こちとら常に全軍の将兵の命を預かっている。

俺よりはお前の方が楽だと思える」





部屋を出た義秀を迎えたのは国親だった。

「盗み聞きか?

趣味が悪いぞ」

「殿。

芦川殿より報告が」

「他の誰にも知らせてないな?」

「はい」

「良し。

あと一手で甲斐は俺らのものだ

「はい。

…………井伊殿の事なのですが。

恋仲ならば、適当な養子を入れて、隠居させたのちに側室になされば」

「それでもいいんだが。

元々は井伊の領地を吸収するために口説いたわけだしな。

これはいい機会ではある。

怪我を理由に隠居させても良い。

まぁ、どうするかは考えておく。

ところで、松平と連絡はついたか?」

「はい。

奇襲を受けた後、山に潜んでいた芦川殿の援助により、立て直し、今は行動を共にしていると」

「兵数は?」

「約二千」

「良い。

実に良い。

明日出陣する。

何を見ても、外に漏らさないものを抜擢して連れて行く」


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