大草原の猛獣たち
昔々の「ワタシの足跡・軌跡」
2008年「親子の日 エッセイコンテスト」で入賞した作品です。
当時のペンネームは「ゆずこ」
柑橘類が好きで「柚」からとって「ゆずこ」
単純な理由です(汗)
「大草原の猛獣たち」
青い空を見て、いつも思っていた。
「自由に暮らしたいよ・・・。」
シトシト降る雨を見て、いつも思っていた。
「気ままに暮らしたいな。」と。
でも、絶対に無理。
何故なら、うちには猛獣が2頭いるからだ。
しっかりしつけをしないといけないからだ。
それはそれは、重要な使命である。
大きな義務であり、重大な責任があるのだ。
その猛獣の種族は、息子という。
そんなわけで、私は毎日いきり立ちながら、大声で罵声を浴びせながら、
ビシッ、バシッと猛獣たちに鞭を振り回しているのである。
なんとも恐ろしい形相だと、自分でも思う。
けれど、猛獣たちは、ちっとも言うことを聞かないし、
罵詈雑言を浴びせられても、どこ吹く風で、
三六五日、二十四時間、まった~りと悠久の大地で寝そべっているのである。
気分はモンゴルの大草原である。
もうお手上げ。
私は精も根も尽き果てた。
作っても作っても決して余ることのないおかず、
炊いても炊いても残ることのないお米たち、
洗っても洗っても底から湧いてくるような洗濯物の山、
片付けても片付けても空き巣が入ったかのような部屋、
ドタバタドタバタと1日中ノイズがなくならない日々。
もうダメだ。
野生のカバとゴリラを調教しようとした私が、バカだった。
人間って愚かな生き物だとつくづく思う。
力尽きた私は、ある日曜日の朝、目を覚ますことができず、
10時過ぎまで寝てしまった。
慌てて部屋から飛び出すと、
なんと、猛獣たちが目玉焼きを焼き、温かい紅茶を入れ、
パンを焼いていた。
「お母さん、この紅茶好きでしょ?」
なんと、私の大好きなアールグレーをヤカンいっぱい入れてくれていた。
いつの間にか、猛獣たちは「やさしいヒト」になっていた。
気がつかないうちに、しっかりとした、やさしいヒトに進化していたのだ。
私もモンゴルの大草原で昼寝をしよう、
ヤカンいっぱいの紅茶を飲みながら、そう思った。
ーおわりー
008年当時は想像もできませんでしたが、
2025年現在は「完全フリーダム獲得」の生活をしています。
こんなに自由で楽しい日々を送れるようになるなんて!!
毎日がワクワク、「今が一番楽しい!」を実感。
毎日 Update!




