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ルミエ

この話は、

「惹かれること」と「踏み込むこと」が

必ずしも同じではない、というところから始まります。


好きだと思う気持ちがあるからこそ、

近づきすぎない選択をすることもある。


エラはまだ、守る距離を手放しません。

それでも確かに、名前の輪郭は近づいています。


ルミエを見つけたのは、偶然だった。


通りの奥にある、小さな店。

派手さはないのに、なぜか目が離せなかった。


甘いのに、静か。

可愛いのに、凛としている。


今まで見てきたロリータとは、少し違った。


ドアを開けると、控えめなベルの音が鳴った。


「いらっしゃいませ」


声は柔らかく、距離があった。

カウンターの奥にいた店主は、年齢も性別も曖昧だった。


「ご自由にどうぞ」


それだけ言われて、視線は戻される。

見られていないことに、エラはほっとした。


照明は柔らかく、外の世界が遠く感じられた。

ここに居続けたら、楽だろうな。

そう思ってしまって、エラは一歩だけ引いた。


「試着、されますか」


声をかけられて、エラは首を振った。


「今日は……見ているだけで」


「そうですか」


残念そうでも、引き留めるでもない。


「服は、人を選びませんから」


独り言のようなその言葉が、胸の奥に残った。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。


第二話では、

エラがルミエに惹かれながらも「飲み込まれない」姿を描きました。

安心できる場所ほど、失うのが怖くなることがあります。


ポシェットは導く存在でありながら、

引き留めることはしません。

それでも最後に呼ばれたのは、名前だけ。


次話では、

その名前が持つ意味が、少しだけ変わっていきます。


よろしければ、またお付き合いください。


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