1/6
否定され続けてきた「好き」
はじめまして。
この物語は、ロリータが好きな女の子の話です。
可愛いものが好きだと言うことが、
いつの間にか難しくなってしまった人へ。
これは、誰かに救われる話でも、
恋に落ちる話でもありません。
惹かれながらも、飲み込まれず、
それでも確かに光に触れてしまった。
そんな時間を書きました。
静かな物語ですが、
少しでも何かが残れば嬉しいです。
エラは、可愛いものが好きだと言えないまま大人になった。
フリルも、リボンも、レースも。本当は全部、好きだった。
鏡に映る自分の顔は、いつも理由にされた。
輪郭は甘いのに、目元が鋭い。鼻筋が通りすぎている。
家族はそれを「中性的」と呼び、ロリータは似合わないと言った。
「あなたは、そういう子じゃないでしょ」
悪意のない声だった。
だからこそ、エラは何も言えなかった。
雑誌は見なくなった。
写真も、いつしか指先で弾くようになった。
好きなものは、遠くから眺めるものになった。
自分が着る想像は、しなかった。
閲覧頂きありがとうございます。




