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ドラゴン博覧会へいこう!

ある昼のことであった。

ロザリーが店にやってきて、いつものように聞き取りを終えた後、ロザリーがそういえば、と口にした。


「今度、街の北側でドラゴン博覧会をするそうですよ」

「ドラゴン!?」


聞きなれないファンタジー単語にりさは思わず反応する。


「そうです、なんでも有名な調教師さんがいらっしゃるそうですよ」

「へ~そうなんだ。楽しそう」


ではこれで、と店を去るロザリー。


りさはケインに


「ドラゴン博覧会ですって。知ってました?」


と尋ねる。


「あぁ、新聞で読んだから知ってるよ。二日後に開催されるようだ」

「二日後ってお店休みですよね。一緒に行きませんか?」

「おじさんでよければ着いてくよ~」


こうして、りさとケインは博覧会に行くことになったのだった。


***


博覧会当日。

りさは前日の夜、楽しみすぎてあまり眠れずふわ~とあくびをする。

ケインは「大きな口」と楽しそうに笑っていた。


「だって、楽しみで」

「もしかしてドラゴン見るの、初めて?」

「私の国にはそんなものいませんでした」


珍しくて、パンダくらいというと、ケインはパンダ? と口にした


「何それ。どんな生き物?」

「黒と白の可愛い模様の熊で、とても愛らしくわが国ではそのパンダを見ようと大勢の人間がおしかけたものです」

「へぇ、気になるねそりゃ」


そんなことを話してりさとケインは町の北側まで歩いていく。


場所はすぐに分かった。

「ドラゴン博覧会」と書かれた大きな門に、青空の下、柵の中にいれられているドラゴン。そして大勢の人たち。

みなワイワイとドラゴンを眺めている。


「へぇ~動物園みたい」

「ドウブツエン?なんだいそりゃ」

「動物を眺めるための施設です」

「リサの国は豊かな文化があるんだね」


それほどでも、と返して会場に向かう。


***


そこには、大小様々なドラゴンがいた。

炎を吐くものもいれば、おとなしく寝ているものもいる。


(ドラゴンって、可愛い~!)

とはしゃいで見ていたら、りさは声をかけられた。


「お姉さん、俺とイイコトしない?」


軽薄そうな声に振り替える。

明るい栗色の髪をなびかせる彼の目元はタレていて涙ボクロが印象的な男がそこにいた。


「失礼、連れがいるのが見えないのかな」


そういってリサはケインにぐいと肩を抱かれる。

男はそれをみてハハハっ!と笑って


「ちがうちがう、ドラゴンの火を浴びないか?ってことだよ」

「ドラゴンの火! ?」

丸焦げになるのはごめんだ、と辞退するりさ。


「オレ、ルイっていうんだ。ちょっとは名の知れた調教師なんだけど、知らない?」

「知りません」

「あぁ、新聞に載ってた新進気鋭の調教師ルイってあんたのことか」


ケインがそういうと、ルイはまぁねとウインクで返した。


「これからショーがあるんだ。それに出てみないか?」

「私!?なんでですか!?」

「ここいらじゃ見ない顔だからさ。珍しいなと思って声をかけたんだ」


ここヴェルニカ王国の国民は、確かに顔の彫りが深い。

それにくらべりさはつるーんとした日本人らしい顔をしている。


「悪かったですね、平たい顔で」

「そう言ってるんじゃないよ、魅力的だなと思ってさ。どう?俺のショーに出てくれたらいくらか報酬は弾むよ」

「報酬……いや、でも丸焦げになるのはちょっと」


報酬に一瞬つられたりさだったが、慌てて辞退した。


「大丈夫、実際炎の温度はかなり低いんだ。危ない目には合わせないよ」


そういうことなら、とりさは請け負った。


「リサって、結構人を寄せ集めるっていうか、なんかそういうスキルもってたりする?」


ケインは呆れ笑いをしながらりさに言う。


「ないです。そんなの」


そう否定するが、自分でもうすうすそうかも……と思うりさであった。

「全然恋文屋の仕事してねえな」と思ったあなた、正解です。

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