【超能力先輩と姿見】
万「ハロー。頼まれてたお菓子買ってきたよ」
愛「ありがと〜」
万「ここに置いておくよ?」
愛「あ、ちょっと待って、それは……‼︎」
ガシャーン
万「あ……‼︎」
愛「あちゃ〜」
万「ごめん、鏡が置いてあるって分かんなくて、ベッドに荷物おいたら、落としちゃった」
愛「ううん。不安定なところに置いてた僕が悪いし。どうせ買い換えるつもりだったからいいよ」
万「そうは言っても……。あ、金出すから今から買いにいこうよ」
愛「え、わざわざいいよ。そんなに高いものじゃないし」
万「でも壊しちゃったのは悪いと思うし、お咎めなしだと俺の気が済まないんだよ」
愛「えー。そこまでいうなら、お願いしようかな」
家具屋にて
万「あんまり高いのはやめてよ?」
愛「あはは。もともとセールで1000円ぐらいの姿見使ってたんだから、そこまで気にしないよ」
万「たしかあの鏡も三人で買いに行ったんだよね」
万「一人で行くのが心細いとか言い出して」
愛「それ小学生の時の話でしょ!? あの頃は今より潔癖症が酷かったからね」
愛「いまだに人に触られるのは慣れてないけど、近づくのは出来るようになったんだよ」
万「それも富士見のおかげかな?」
愛「……そうかもね」
万「本人に言ったら絶対に調子に乗るから言わない方が良いよ」
愛「あはは。やっぱり? そうだと思って黙ってる」
万「それが賢明だと思う」
万「それよりどれにするの?」
愛「もう少し見て回ってもいい?」
愛「いや、どの鏡を使っても僕の美しさは変わらないからいいんだけどね」
万「なら適当に選べばいいのに……」
愛「いや、僕が使うに相応しいものがあるはずだから」
万「椛ほどじゃないけど、案外愛もこだわりが強いよね」
愛「あの節操なしと一緒にしないでくれる!?」
愛「アイツ、たまに僕の小顔ローラーを口説いてるときあるからね。マジでやめてほしいよ」
万「まず愛が小顔ローラーを使ってることが驚きだよ」
愛「顔の造形はとくに微調整が難しいからね。大まかに作ったら、化粧で誤魔化してるんだ」
万「やっぱり効果あるものなんだ?」
愛「うーん、正直気休めみたいなところあるかな。たまにしかやってないし」
万「だから椛に口説かれて靡きそうになってるんでしょ!!」
愛「あ、この手鏡可愛い~」
万「とんでもないマイペース……。全身写せる鏡じゃなくていいの?」
愛「ううん、これは個人的に買うからいいよ。姿見は、そっちのシックなやつね」
万「もうすでに決まってたんだ……。いくらだろう?」
2万4500円
万「たっかいな!!」
愛「いやそっちじゃなくて、コレ!!」
愛「その淡い色合いをみてシックだと思えるのは、目がイカレてるとしか思えないよ」
万「逆になんで980円の鏡の隣に、2万円の商品を並べてるんだよ」
愛「そう考えたら店の方もイカレてるな……」
愛「ってあれ、これ、新型のラジオの値札が張ってあるよ」
万「本当だ。張る値札をまちがえたのか」
後でお店の人に届けました
ラジオ「……市内で起こっている誘拐事件の容疑者が……」




