【超能力先輩とハンカチ】
葵「おーい、岸はいるか?」
ち「岸先輩なら帰りましたけど、どうかしました?」
万「あれ、今日は生徒会の仕事ないって言ってなかった?」
葵「ああ、今日は残るつもりはなかったんだが、これだけな」
ち「ハンカチ? あ、もしかして落とし物ですか」
葵「そうだ。落とし物の管理も生徒会の仕事だからな。岸なら探せるだろうと思ったんだが」
万「あいにく、アイツは帰ったよ。愛と遊びに行くとか言ってたな」
葵「それは……とても羨ましいな」
ち「先輩、二人から嫌われてるんですか?」
万「ちょっと待って、二人に突っ込むの難しすぎるでしょ!!」
万「っていうか、嫌われてるわけじゃないから!! 俺が断っただけ」
葵「それより、岸がいないなら小菊でもいい。探してくれ」
ち「まぁ、苦手と言っても出来ないわけではないんですよね?」
万「そうだね。椛みたいに上手にできるとは思わないけど」
万「いちおう、サイコメトリーは使えるから……!!」
万「ああー。だめだ、工場のおじさんが見えちゃったよ」
ち「物の記憶って、そこまで遡れるんですね!?」
万「ハンカチだけじゃないけど、物の記憶力ってなかなかすごいものだよ」
葵「不死身の私が言うのもアレだが、どういう原理なんだ?」
万「それはわかんない。なんとなくで使ってるからね」
ガシャーン!!
<スミマセーン
葵「いてて……。頭に直撃か。私じゃなきゃ死んでたな」
万「不死身体質じゃなく、不幸体質能力者を名乗ったら?」
葵「不名誉すぎるわ!!」
ち「あの、それより窓ガラス割れてますし、岸先輩が怒るんじゃ?」
万「ヤバいね。俺が治してもいいんだけど」
葵「絶対にあいつは勘づくと思うぞ。それより、持ち主は見つかったか?」
万「いや、今度は富士見がここに持ってくる記憶だった」
ち「結構加減が難しいんですかね。分かんないですけど……」
葵「私もさっぱりわからん。意図して使える能力じゃないしな」
万「うーん、今度は、このハンカチを拾って届けた人かな?」
ち「あ、近くに誰かいないですか? もしかしたら、落としてすぐ拾ったかも」
万「ええ、探せるかな?」
万「……今日、小桜さんと友田さんって三回の女子トイレ前通った?」
ち「そりゃ、一年生の教室があるところですし、通ったと思いますよ」
ち「え、私ですか? でも私自分のハンカチ持ってますよ。ほら」
葵「話の流れ的に、お友達の方だろう。違うか?」
万「大正解。ポケットに入れ損ねたみたいだね」
万「一時間ぐらいしてから、誰かが拾って届けてくれたみたい」
ち「あ、そういえばさっき楓からメッセージ届いてたんだ」
楓『薄いピンクのハンカチ知らない?』
楓『どこかで落としたみたい』
万「まぁ、そういうことだよね。ほら、届けておいで」
葵「持ち主がちよの友人とはな……。案外世界は狭いものだ」
万「いや、世界が狭いんじゃなくて、友田さんがドジなんじゃないかなぁ」
葵「……?」
手を洗う機会が増えて、ハンカチが手放せなくなりましたよね。
私の友人は面倒だからと大きめのタオルを持ち歩いています。




