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【超能力先輩と桃】

ち「あれ、先輩たちがいない。あ、置手紙……」


手紙『校長先生から依頼が来てるので行ってきます』

ち「……また私だけ除け者かぁ。超能力者じゃないからしょうがないか」


ち「私も超能力欲しいなー」


ガラガラ

ち「うわ」ビクッ

万「遅くなってごめんよー」


ち「なんですか、その段ボールは?」

万「これは校長からのプレゼント。小桜さん、果物は好き?」

ち「まぁ、それなりに」


万「じゃじゃーん。校長の知り合いが育ててる桃だって」

ち「桃!? 全然旬じゃないですけど……美味しいんですか?」

万「この桃は普通よりも早めに収穫する桃なんだって」

万「校長室で一つ食べたけど、味がしつこくないからじめじめした季節にはぴったりだよ」


ち「私、ぐじゅぐじゅの桃苦手なんですけど……」

万「へぇ、愛は固いほうが嫌だって言ってたけど、やっぱり人それぞれなんだね」

万「はやい時期に収穫するだけあって、柔らかくないから食べやすいと思うよ」

ち「なんか、ずいぶん桃に詳しいですね」


万「そりゃ、さっき調べてきたから」

ち「わざわざ!?」

万「小桜さんにドヤ顔で桃の話をしようと思ってさ」

ち「先輩も案外子供っぽいですよね」


万「それより、桃食べるなら切ってあげるよ」

ち「食べたいには食べたいですけど、包丁なんてありました?」

ち(岸先輩のカーテンの部屋にはありそうだけど)

万「さすがの椛も包丁は持ってないだろうしなぁ」

ち「ないんかい!! 人体模型はあって包丁はないってどういうことですか!?」


万「ほら、銃刀法的にまずいでしょ」

ち「思ったよりまともな理由!!」

ち「っていうか、あの先輩、銃刀法とか気にするんですね」

万「椿先輩や校長に怒られるからね」


ち「椿先輩相手には強く出れないの面白すぎません!?」

万「まぁ、俺や愛、冨士見もそうだからね」


万「ほら、桃切れたよ」

ち「え、今どうやりました!?」

万「普通に超能力で」


万「果物の皮をきれいに剥く能力だよ」

ち「どんな能力ですか!? ピンポイントすぎません?」

万「まぁ、一応植物扱いになるから、椛はできないのかな」

ち「先輩もはや、超能力者というよりびっくり人間ですよね」


ち「でも、ホントキレイに剥けてますね」

万「すごいでしょ。ほら、どんどん食べてよ」

ち「おお。甘すぎなくて美味しいですね」


万「俺ももう一個食べようかな」

ち「あ、私食べきれないので、こっちいいですよ」

ち「はい、あーん」


万「え、まじで⁉︎ いいんですか‼︎」

ち「冗談に決まってるじゃないですか。真に受けないでくださいよ」

万「弄ばれた……。たまに出てくる小悪魔小桜さんだ」

ち「なんて不名誉な呼び名……」


万「小悪魔小桜っていうと、小ささを強調してるみたいになるね」

ち「殴りますよ‼︎」ボコッ

万「もう殴ってるじゃん……」


ち(ちょっといい雰囲気になったと思えば、すぐにこういうことを言う)

ち(先輩は案外照れ屋だからなぁ)

桃が一番好きな果物という個人的な理由で選びました。

嘘です。サクランボが一番です。桃は四番目ぐらいです。

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