「actEND 希望」
とある小さな山小屋、そこにウリアはいた。
「戻った」
「やっと帰ってきたぁ、ってうおっ!? 何があったんですか、そんな血まみれで! しかも背中に背負ってる人って……」
帰りを待ちわびていた様子の少年の顔は男達を見るやいなや少し歪みを見せた。
「殺そうとしてたオレが言うのも何だがコイツを治してやってくれ」
「それは、できるけど足の再生とかモノがないなら無理だよ」
「あー、急いでたから置いてきちまったなァ。いいや、まずは傷口だけ塞いでくれりゃあ上等だ」
「任せてよ。たまには僕も役に立たないとね」
少年は胸を張ってその小さな胸に手を当て自信満々にそう言った。それと、と加えて、
「まずは、って言ったってことは他にもしてほしいことあるんでしょ?」
「察しがいいな。流石はル――」
「だーめ! 僕はそんな大層な魔法使いじゃ全然ないんだよ」
と口を動かしつつも男の治療を行っている。この早さなら傷を塞ぐくらい一分もあれば事足りるだろう。以前は回復魔法を使えなかったというのに、覚えてしまえば簡単で慣れたものだ。
「で、次はなにをすればいいのかな?」
「こっからが本題だ。オレの知識とお前の知識があればコイツの《《義足》》が作れそうだと見てるがどォ思う?」
すると少年は首を傾げ、
「《《ギソク》》? 何それー」
「言葉に出せるっつうことはそういう概念はあるわけか。《《義足》》ってのは失った足の代わりに足の役割を果たすものだ、つって通じるか?」
少し考え重く口を開く。
「できないことはないだろうね。でも身体に合うようにとか神経、肉の代わるものを作らないといけないとか他にも色々と考えないといけないから手間と時間は相当かかるよ」
「元々しばらくじっとしてる予定だったンだ。ちょうどいい」
すると男が目を覚まし、顔をあげるとそこには自分を殺そうとしていた男の顔が見えた。しかし、恐怖はもはやない。
「お主らは……」
「一人の人間が《《希望》》を持とうとするのは傲慢だ」
「業を背負うのは私だけだ。平和に生きている者達には《《絶望》》のことなど気にせず笑って生きてほしいのだ」
「だがその《《希望》》の為に失われた命もある。しかもそれは《《オレ程度の雑魚でもあっさりと倒せてしまうくらいの超雑魚》》だ」
バーニアスは俯き顔を上げられない。
「そして《《希望》》はただ一つ」
「一つだけ、しかないのか……?」
赤い瞳の男は静かに頷く。
「ならば何故私を助けた。《《希望》》は一つ、出来損ないしか造れないような人間うぃ助ける必要などどこにあっただろうか。いいやない、ないはずだ」
「《《希望》》は一つだが中身は複数ある。ちょうどミカンは一袋単位で店に出てるがその一袋の中には複数のミカンが入っている、そンな感じだ」
「ということは私は――」
「業腹だがテメェもミカンだ。そしてそこのガキもミカンってェわけだ」
少年はよほどミカンが好きなのかミカンに例えられたというのにとても嬉しそうに頬を赤に染めた。
手負いの男はしばらく考えるように顔を伏せたが、やがてあげると、
「ならばお主は、何だ?」
「オレかァ? オレは、外国から来た助っ人農家のおじさンだよ」




