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神の箱庭 〜Magic World〜  作者: 杯東響時
第四幕「熾天使いの苦悩」
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「act06 決着はあっさりと」

「さぁあの激戦から一日、興奮はまだ冷めていませんか? 私はまだまだ燃えていますとも! 今日は決勝戦、ウリアさんとガブリエラさん! 今回どんな戦いを繰り広げてくれるのでしょうか!」

「手加減はしないわよ」

「ハッ、互い様だってェの」

「それでは決勝戦、スタート!」


 同時に駆ける。ガブリエラは氷の短剣を、ウリアはいつの間に握っていたのか小型のハンターナイフを両手に構え両者がぶつかる。

 二人は一度離れて男はナイフを手の中でくるくると遊ばせ、ガブリエラは短剣を少しだけ大きく変化させる。


「昨日の戦い見せてもらったぜ。流石熾天使いってとこだな」

「アナタこそ一体どんな魔法使ってたのか全くわからなかったわ」

「なら流石のあんたにもこれは通用するかなァ?」


 眼前の魔法使いの纏う雰囲気が変化する。

 来る、そう脳が判断する前には身体が勝手に動いていた。未氷投槍(いたらずのやり)を雰囲気の変化と同時に現れたかもしれない見えない《《それ》》に向けて投げつける。ある地点を通過一瞬空気が揺れ、そこを中心に大爆発が起こりその爆風がウリアとガブリエラを襲った。

 この身体にまとわりつく不快感、昨日のヒートが使ったそれとはまた違う感覚だ。

 それと心なしか呼吸がしづらくなったような気がする。自分の身体に変化があったわけではないから周りの環境が変化したのかもしれない。


「……ハハッ、オレのとっておきですらもアンタには通じねェのか。昨日少しだけでも披露しちまったのが良くなかったか」


 男が焦っている一方でガブリエラはガブリエラで反応できてしまったことに驚いた。

 確かに昨日の試合は見ていたが見ただけで対策できるような類いの魔法では無さそうだった。少なくとも体験すらしていないのに初見で対処してしまうというのはいくら自分が凄い魔法使いだろうと無茶がある。

 ――いや何故だか知らないけれどこれ、どこかで……。


「ボーっと突っ立ってンな!」


 思考の波から抜け出し目の前の男に集中する、前に投げられたナイフを辛うじて回避するとそれにはチェーンが繋がっていることに気付いた。

 戻ってきたそれをしゃがみ避けて男を見ればいつの間にかナイフが二本に増えている。

 その二つを投げる。すぐさま短剣で切り払う、がそれはまるで蛇のようにひつこくうねうねとガブリエラをつけ狙う。


「二つだけだと思っていたのか?」


 更に四つのナイフが投擲され、それら全て獲物を喰らわんとしている。


「しつこい!」


 自身の周囲全面に永久氷壁(アイスウォール)を張ってなんとかやり過ごす。これであの蛇の攻撃は通らない。

 直後ウリアの足元から氷の槍が造りだされる。それを後ろに避けるとそこからもまた氷の槍が、また避けた先から氷の槍、回避、槍、回避、槍の繰り返し。


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」


 今観客がガブリエラの顔を見たら皆がこう思うはずだ。なんてゲスで悪人面なんだろう、と。


「ちょっとコイツァ卑怯ってヤツなンじゃねェか!?」

「勝てばよかろうなのよ、勝てば!」

「悪人クセェセリフを吐きやがって……! それは悪人の、嫌われ者の……ッ」


 空間が、歪む。


「オレのセリフなンだよ」


 しまった、と思った時には既に背後にウリアの姿があった。

 昨日の試合を見ててっきり精神操作系の魔法かと思っていたが、


「やっぱり空間転移じゃねぇかぁぁぁぁ!」

「だから違ェっての」


 後ろを振り向いた時には首にウリアの腕が巻きつけられておりナイフが突き立てられていた。

 そしてそのナイフが頬を浅く傷つけると血が微かにすぅーっと流れる。直後、衝撃が起こり身体が言うことを利かなくなってしまったのだ。

 そのうち瞳に光はなくなり、やがてガブリエラは意識を失ってしまう。


「悪ィな。今回ばっかりは勝ちを譲るわけにはいかねェからな」

 


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