また明日
食べ終わると、私は風呂に入らせてもらった。浴槽にはいろいろな機能がついてそうだったが、説明なく使うのはちょっとためらわれた。さっとシャワーを浴びて、頭と体だけ洗って、風呂を出た。
「あれ、早かったですね。お風呂入られました?」
「いや、今日はもう十分未来のものを見た。また今度の楽しみにしておくよ。それに明日は、自動菜園を見せてくれるんだろ?」
「楽しみにしていてください。今日はもう寝ましょう。」
彼女は、ベッドルームに案内してくれた。
「確かこの辺に...」
ごそごそとしながら、彼女は寝袋を引っ張りだしてきた。
「ははっ」
「今、何か面白いことでもありましか?」
「いや。なんでもない。」
寝袋か。こんなお泊り会のような事をこの年になってからやるとはな。しかも20年も先の未来で。
その夜、二人で色んな話をした。私が過ごした時代の話もたくさんした。教科書に記載されているような出来事も、私にとっては身近な記憶だった。
話していると、少し寂しくもなった。先ほどまで、未来のあらゆるものにわくわくしていたのに、今では過去が恋しくなっている。私が本来この時代の住人ではないということか。
でも、それは言ってもしかたがない。もう少し、見てみようと思った、この進んだ世界を。
「じゃあ、そろそろ電気も消しますよ?」
「ああ。」
「おやすみなさい。」
彼女の声に合わせて、部屋の明かりが消えた。
次は、家庭の様子に迫ります!