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本日2話投稿 2/2
前話がありますのでご注意ください。
───意識がぼんやりとする。
仮想世界の世界の疲れはこちらの世界に戻ってもけして消える事はない。いや、無くならない訳ではないのだけど、なんとなく、心に疲れが残っているような、奇妙な感じです。
私はさっさと寝る為にも、シャワーを浴びる事にしました。
動きやすく、汚れてもいいようにとジャージで過ごす癖がついてしまいましたが、まあこれでも身体は小奇麗でいたいもの。
一応、小さな小さなプライドみたいなもの、例え誰にも見られなくても、私は汗まみれで眠るだなんて、とてもじゃないけど耐えれない。……真夏でもブーツは履けるんですけど、アレはまた別物と言いますか。
それはそうとシャワーを浴びる。服は、流石に暖房をつけっぱなしの部屋で2時間以上寝転がっていたので少しだけど汗の匂いがする。少々もったいない気もするけれど、こればかりは妥協はできません。と言う訳で洗濯機にぽーいと。
ほんの少しだけ冷たい水、掌で受けて熱を測る。暖かさに肌が震えて、震えが収まる頃には身体は心地よい温かさを受け入れていた。それがなんだかとても温かで、何故だかちょっと笑えて来る。
ああ、いけない。身体を洗わなくちゃ。
髪を水でぬらす前に、持ってきた櫛で髪を解していく。丁寧に、丁寧に。これは命と同等らしいので。
それからはぬるま湯で髪の毛を、頭皮に水分を吸わせていく。ゆったりと、けして熱くはしない様に。熱湯は乾燥に繋がってしまうので、38℃を目安に優しく。
泡立てたシャンプーを、馴染ませるように、優しく下から上へと洗っていく。指の腹で細かく擦って、一日の疲れを、汚れを揉み落としていこう。残りがない様に、しっかりと全てを流してしまう。
……これだけでもさっぱりだ。私はやっぱりお風呂は身体を洗う時よりも髪を洗う時の方が好きらしい。
それから顔を洗って身体を洗って、お風呂の掃除を終えたなら、着替えてさっさと寝てしまおう。
そう思って、下着に手を伸ばした所で、足音が聞こえた。
千鳥足、ドタドタと楽しそうに来たその人は、真っ直ぐに部屋に行ってイビキを立て始めた。
……しょうがないなぁ。
着替えた私は開けっ放しの玄関を占めて、すぐにその人の部屋に行く。
甚兵衛姿で夜の街をふらついていたらしく、足には下駄がついたまま。しょうがないので下駄は外して、布団の上から寝ているその人に、毛布と新しい掛布団を掛けておいた。今夜は冷えるそうなので、暖房も少しだけ付けておこう。
赤ら顔のその人は、なんだかとても幸せそうで、思わずクスリと笑みがこぼれた。
どうか貴方の夢が幸せでありますように。そして私の夢も幸せでありますように。
この二人だけの屋敷の中で、どちらも幸せに過ごせたら、それはとても素敵ですねと、私は部屋の明かりを消した。
──今日はなんだかいい夢が見れそうです。具体的にふわふわもこもこ。
さあ、明日も頑張る為に今日はゆっくり眠りましょう。
お休みなさいお爺様、どうか明日も良い日でありますように。
【人間】□□□□【職業】学生
【スキル】家事全般、オカリナ演奏、睡眠学習(授業)
【家族構成】祖父【友人】3人
【性格】怠惰に勤勉、理性的に感情的、お人好し、動物好き