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 氷のように澄みきった銀色の髪は、一本の乱れもなくきっちりと結い上げられている。

 冷徹な輝きを灯す蒼き瞳は、さながら深海のような色だ。

 何物にも染まることはない黒いシャツ、穢れを寄せ付けようとはしない白のベストとスカート。胸のリボンタイは、明け方の雲かのように、深い紫色をしていた。

 すらりとした細い足をぴったりと覆うのは、確固たる黒のタイツ。茶色のブーツのヒールを響かせ、彼女は真っ直ぐに男を見ていた。



「吸血鬼クドラク。――私の『存在』を以て始末させて頂くわ」



 冷徹な蒼が見据えるのは、闇のように黒い男。

 その腕の中には一人の女がいる。もう、こと切れているだろう。命のあたたかさよりも先に、死人の冷たさが感じられる。そんな風な皮膚の色だったから。

 男は白っぽい膚を他者の血で紅く染め上げ、口回りにはべったりと、鉄臭い液体が張り付いていた。

 その正体を銀髪の女はよく知っている。あれは、血だ。人を動かす暖かな血潮だ。いわば、液体の形をとった『命』だ。


 男が赤い瞳で、銀髪の女を捉える。

 男が抱えていた女から手を離す。重い音がして、女の金髪が地に広がった。

 恐怖の表情で絶命しているその女の瞳は、白く濁り始めている。


「――銀の髪、青の瞳。いけすかない口調に堅苦しい服装。お前はクルースニクだな、“お嬢ちゃん”?」

「ええ、そうよ――」

「美人なのにクルースニクとは勿体ねえな……俺が引きちぎって喰ってやるよ」


 べろりと赤い舌をちらつかせ、吸血鬼の男は赤い目を細める。銀の髪の彼女を、値踏みしているようだった。


「私を喰おうだなんて、身の程を弁えたら如何かしら?」

「強気だなあ、お嬢ちゃん」


 げらげらと品のない笑い声を響かせ、クドラクの男は赤い目を爛々と輝かせる。

 捕食者の瞳であり、嗜虐的なそれ。蒼く澄みきった彼女の瞳に、悪意の塊のそれが映り込む。

 穢らわしいと彼女が呟けば、男は満足げに笑う。


「おお、そうかい。『綺麗で高潔』なクルースニクのお嬢ちゃん。――お前も今から俺の一部にしてやるよ」


 にたりと唇を歪め、クドラクの男は地を蹴る。

 急に詰められた距離に動じることなく、クルースニクの彼女は誇り高く、それと向き合った。

 クルースニクである彼女の腰元に下げられたレイピアが、冷たい銀の色を宿している。

 

 白と黒の邂逅。けして交わらない筈のそれ。

 一陣の風が、崩れかけた廃虚を駆け抜ける。



***



 びちゃりと音がした。粘性のある、赤くて鉄臭い液体が彼女の足元に広がっている。当然だと冷めた頭でクルースニクの女はそれを眺めた。

 あれだけ切り付けたのに、まだそれでも息の合ったこのクドラクが少しおかしいのだ。

 それでも彼女は彼女に生まれながらにして与えられた『使命』のもと、(クドラク)を狩った。

 最後の一撃だった、腹部への一突き。

 彼女の体に寄りかかるようにして彼女のレイピアに貫かれた男は、真っ白だった彼女のベストを歪に赤く染め上げていた。


 並みではない出血。死を覚悟した、クドラクの男。


「――身の程を弁えたら、と言ったでしょう」


 ただ淡々とそう言った、クルースニクの女。


「ッハ……お嬢ちゃんのクセに生意気なクルースニクもいたもんだ……」

「生意気、ね」


 自分のことをそう思ったことは無いけど、と彼女はそう冷たく告げ。

 男の体に刺さったままだったレイピアを、勢いよく引き抜いた。そこには遠慮もない。

 彼女の肩辺りにもたれていた男の顔が、レイピアを引き抜いた勢いで揺れる。

 うぐ、と呻いたクドラクの男は、口の端から血を滴らせながら、息も絶え絶えににやりと笑った。


「お嬢さん、お名前は? 冥土の土産に教えてくれよ……」

「クルクよ」


 男の耳元で冷ややかにそう囁いて、クルクは力の抜け切った男の体を床に下ろす。

 血のように赤い瞳から、禍々しい命の灯火が消えた。


 じわりと地に広がっていく赤に、クルクの中の何かがざわめく。

 レイピアに絡むようにして滴っている赤い雫。

 クルクは雫の滴るレイピアを、そっと口元に持っていく。舌を切らないように、薄い刃に赤い舌を這わせ、纏わり突く赤い雫を舐め取った。


 鉄の匂いがどうしようもなく芳しい。

 甘露のように甘いその雫は、先ほどまで生きていたクドラクの男のものだ。


 穢らわしいと頭の隅で吐き捨てる自分がいるのを意識しながらも、クルクは男の傍らに膝をついた。

 見開かれた赤い目を一瞥し、男の瞼を下ろす。


 ごくりと喉が上下する。いつもの、クドラクを始末した後のあの『乾き』。

 水を飲んだぐらいでは癒されることの無い、狂おしい喉の渇き。


 ――私は何に飢えているの。


 いくら自問しても、答えなど返ってこない問い。

 その問いに答えが返されてしまう日が来るのを怖がっているのはクルク自身がよく知っている。

 出してはならない答えであり、気づいてはいけない疑問だったのだ。

 その疑問をぬぐうように頭を振って、クルクはゆっくりとその瞳に捕食者の光をともす。


 男の頬に手を添えて、上体を屈めて首筋に口付けるようにクルクは唇を寄せる。

 一度だけ躊躇って、禍々しい闇の生物の膚に――自分の牙を突き立てた。

 こと切れた男の傍らに膝をつく女が、その首筋に唇を長い間寄せていたことを、闇が静かに隠していた。


 どれほどそうしていただろうか。

 何かが急に形を現したかのように、ふっと周りの光景が鮮明になったことにクルクは一瞬我を忘れた。

 クルクの膝元には、忌まわしき吸血鬼が絶命した状態でそこにある。

 本能を揺さぶる芳しき鉄の匂いに、クルクは顔を青く染め、自分の口元に手をやった。


 べたり。

 手に伝わる、好ましくない液体の感触。

 中途半端に乾いているらしいそれは、クルクが手を離そうとすれば、まるで接着剤かのように彼女の唇と手のひらを繋ぎとめたがった。

 ほんの少しの力を入れて、口元から手をはがす。唇が突っ張るような、引っ張られるような、微かな感触を伝えてきた。


 無駄なことだと分かっている。諦めを感じながらも、クルクはそっと自らの手に目を向けた。

 赤い液体。鉄の匂いの、唐突に求めたくなってしまうそれが、唇の形に手のひらに残っている。


 吐き気がした。


 けれど、口に中に残っている赤い雫は、例えようも無く甘く。


 白かったベストを斑に赤く染めるそれが、酸化してじわじわと茶に変わりつつあった。

 赤とも茶ともいえぬ、中途半端で穢らわしい色。

 彼女が忌避し、唾棄し、恐怖する色。


 銀の髪を揺らして、彼女は立ち上がった。

 誰かに見られるより前に、ここを立ち去らなければ――


「お? 何か不味いところに出くわした感じだな?」


 どこか軽快で、愉快そうな男の声。軽薄なその声の調子は『クルースニク』ならだれでも聞いたことがあり、そして誰もが嫌な顔をするものだ。

 クルクもやはり、その声には聞き覚えがあった。クルクと同じ『クルースニク』の青年の声だ。そして、『クルースニク』の中で一番名の知れ渡っている青年の声だ。

 もっとも――彼が有名なのは悪い方面で、だが。


 こつり、こつりと崩れかけた廃墟の中に、青年の靴音が響き渡る。

 リズムよく、けれどどこか不気味に響くそれに、クルクの心臓は一音ごとに締め付けられていく。

 心臓の音がうるさく鳴り響いて、脳内までをも支配した。


 彼女の唇には、まだ赤いそれがべっとりとついている。


「久しぶりだな、っと。――あー、“仕事”終わりって感じか」


 丁度クルクの後ろで青年は歩みを止めた。

 クルクの顔はまだ、青年には見えていないはずだ。今なら大丈夫だと早鐘を打つ心臓をなだめる。

 唇にべったりとついたあの忌まわしいものは、青年には見えていないはずだ。


「珍しいな、クドラクに慈悲でもかけてるのか?」


 始末したクドラクの傍らに座り込み、動こうともしなかった彼女を揶揄するような声を青年は上げる。

 彼女は振り向くことはせずに、勤めて平静を保ちながら、いつものとおりの冷たい言葉を返した。

 誰にも気づかれてはならないことだ。特にこいつだけには!


「仕事を……使命を果たさない貴方が、どうしてここにいるの」

「あ? んー、さっきまで『ちょっと』遊んでたんだよ。今はその帰りって訳だ」


 青年が背後で動いたのか、ふわりと酒と煙草の匂いが漂った。

 それから、女物の香水の香りも少し。

 夜の酒場で女と一杯。なるほど、嘘でもなんでもなく遊んでいたというわけだ。


「使命も果たさずに遊んでいたというわけ? 結構なご身分ね」

「俺は俺の使命をちゃんと果たしてるぜ? それがクルースニク的な使命かどうかって言われりゃ、『ご想像にお任せします』って奴だけどな?」

「……貴方って本当に」

「『屑だわ』って? 聞きなれて耳にタコが出来てるんだ、生憎な。別の言い回しは無いか?」


 相変わらずの軽薄な態度に、軽々しい言葉。

 クルースニクの使命が何たるかを、全くと言っていいほど重く見ていないこの青年の名は、ニックといった。

 クルクと同じ、クルースニク――『同胞』でありながらも、この青年がクドラクを始末したという話は聞いたことが無い。

 酒に溺れ、賭博を楽しみ、女と遊び、連れ立って歩くことを人生の使命と宣言している、享楽に忠実な『クルースニク』。


 真面目で禁欲的なものが多い同胞たちの中では、この青年は異彩を放っていたし、誰も近づかぬようだった。

 クルクとて例外ではない。

 自らを屑だと罵られても飄々とした笑みを見せ、否定することすらしないこのクルースニクの青年を、生真面目な性格のクルクが好むはずが無かった。


 だというのに、よりによって今、この状態で。

 一番見られたくない姿を、一番嫌っている者に晒しかねないこの状況。


 早くどこかに行ってしまえとクルクは叫びそうだった。


「急に黙っちまってどうしたんだ、クルクさん?」

「貴方には関係ないわ。貴方の声、聞いているとイライラするのよ。それだけ」

「そりゃ申し訳ない。顔は整形できても声は変えられないから、まあ我慢してくれ」

「お遊びはもうおしまいなのでしょう? さっさと帰ったらどう?」

「そうしたいのは山々なんだが、こんな夜に女性が一人、崩れかけた廃墟にいるとなっちゃあ――エスコートするしかないだろ?」

「余計なお世話」

「相変わらず冷てーな」


 流石の俺もいい加減傷つくぞ、とけらけら笑うニックに、傷ついた様子は見受けられない。

 いつだって飄々として、他人を馬鹿にしたような軽い態度でこの男は生きている。

 クルクには、それがどうしようもなく許せなかった。他の同胞が命をかけて戦っている間に、遊び呆けているというこの男のことが。



 クルクの背後から、酒と煙草の匂いが濃く伝わってくる。男の白い外套に染み付いてしまったのであろう。あの外套はきれいなのにとクルクは思う。

 もっと立派な同胞が着れば、あの白い外套はそれだけで他の者を導いてくれそうな白さなのだ。

 そもそも、クルースニクたちが白を好んで身に着けるのは自分たちが『聖職者であること』、『穢れのない存在であること』を表すためだというのに。


 本来であれば『善の象徴』たる、清廉で潔白な存在であるはずの『クルースニク』。

 その『善の象徴』たる存在のこの青年は、穢れのない白を身にまとっていながら、こうして享楽的な生活を送り続けていた。

 クルースニクとしての使命を、彼は未だ果たしたことが無い。


「――で、何で“クルースニクのお嬢ちゃん”はそんなに“刺激的な口紅”をしてんだ」


 こつりと足音がした。クルクの背後で青年が動いたのだろう。

 不意に投げ掛けられた問いに、クルクの身体中の血が一息に凍りついた。

 思わず、血がべったりとついた唇に触れてしまう。

 男の声に、からかうような色はない。見えているはずがなかったのに。


「ま、答えたくないなら別に良いけどな」


 何の話だとクルクが答えるよりも早く、ニックはそう紡いで「俺()飲み足りねえなァ」と小さくつぶやく。

 何も答えなかったクルクに、クルースニクらしからぬクルースニクの青年は、「遅くならねえうちに帰れ……ってか、もう深夜だな」そうさらりと口にしてクルクから離れようとした。

 足音が遠ざかるのをクルクは感じる。音が小さくなるごとに、クルクの心臓の鼓動は大きくなった。


「待って」

「ん?」

「何処に行くの」

「何処って――お前、そりゃ家に決まってるだろ。あっ、もう一軒酒場によって行くって手も……」

「ふざけないで!」

「ふざけちゃいねえけど。何?」


 帰れって空気を出してたじゃねえか、と呆れたようなニックに、「誰の家なの」とクルクは口にした。

 口の中が苦い。漂う煙草のにおいも、酒臭さも、女の香水の甘さも憎い。


「あー……誰にしたもんかな……マリアには『浮気性』って追い出されたし――レイチェルは先日めでたく復縁しちまったっけか? 俺が行ったら修羅場なんだよな……――まあ、我が親愛なるオニーサマのところにでも行くかな」


 風呂でも借りに。

 あっさりとそう言ったニックは、それで、と背中を向けたままのクルクに問い返す。


「なんでそんなことを聞くんだ?」

「ふざけているの?」

「何に」

「私の質問に対してふざけているのかと聞いているのよ」

「何で」

「何でって――何でって、貴方、同胞に伝える気でしょう」

「お前がクドラクの血を吸ってた、ってか?」


 嘲るような調子で笑ったニックに、クルクは素直に頷いた。うなずくしかなかった。

 こつこつと軽いリズムで足音が刻まれ、ブーツの革の茶色がクルクの目の前にやってくる。

 クルースニクの青年と彼女の間には、絶命したクドラクの男。

 横たわっている男には目もくれず、クルースニクの青年は地に座り込んでいた彼女の目線にまで腰を下ろした。

 ニックの銀髪が暗闇でも輝いたのがわかる。


「報告して何かあるか?」

「……私の問題行動を告発できる」

「お前は血を吸ってただけだ。そこに問題があるか? 蚊だって血ぐらい吸うぜ」

「でも、私は――」

「どうせ、『クルースニクでありながらクドラク』って奴だろ? 血を吸って何が問題なんだ?」


 クドラクは血を吸うものだと青年は笑う。


「“我が親愛なる同胞達”はそう定義してたじゃねえか」

「……私はクルースニクよ。クドラクなんかと一緒にしないで頂戴」

「じゃあお前はクルースニクだろ。血を飲もうが飲むまいが」


 お前が自分を『クルースニク』という限りはクルースニクなんだよ、と青年は鼻で笑った。

 クルクの精一杯の強がりを笑い飛ばすようでもあった。


「誰もお前のことをクドラクだとは断定できないし、クルースニクだと断定することも出来ない」


 つらつらと台詞を読み上げるかのように、クルースニクの青年は続ける。

 青年は絶命したクドラクの男を見つめてから、クルクのほうへと目を向けた。

 クルクのものよりずっと明るい、泉のような青い目がそこにある。


「そもそも『クルースニク』って何だか分かるか?」

「……吸血鬼を退治することを運命付けられた者の総称、でしょう」

「基本的で模範的な答えだな、流石は優等生のクルクさんだ」

「――馬鹿にしているの?」

「滅相も無い。本心から褒めてるさ」


 言葉の割には青年の態度は軽く、それがクルクを一層落ち着かなくさせた。

 こんな話題を振ってくるニックの本心が読めない。


 他の同胞であったなら――すぐに他の者にこのことを報告するか、またはクルクを始末にかかっていただろう。

 しかしニックは、そのどちらの行動を取るでもなく、ただただ軽薄な笑みを浮かべながらクルクに語りかけるだけだった。


「じゃあ、どうして『クルースニク』は『クルースニク』になるんだ?」

「……生まれた時に、白い羊膜が付着していたから」

「大正解。一般的で『正しい答え』だ」


 生まれたとき――母の胎内より取り出されたときに、白い羊膜をつけて生まれたものは『吸血鬼クドラク』と戦う運命を授かり、『クルースニク』としてこの世に生を受けるのだという。

 一方で、母の胎内より取り出された際に赤い羊膜をつけて生まれたものは『吸血鬼クドラク』としてこの世に生を受け、人の生き血を啜り生きる、闇の化け物になるのだという。


「じゃあ、赤と白が斑であった――或いは、赤と白の中間の色の羊膜をつけて生まれてしまったものはどうなるんだろうな? クルク」


 ――ああ、だから私はこの人が嫌だ。


 クルクがつけて生まれてきた羊膜は、完全な白ではない。白い中にも細かく、小さく赤が飛び散るように混じっていた。

 クルクは『クルースニク』としても十分な条件を持って生まれてきたが、それは羊膜に混じっていた赤――『クドラク』の要素を完全に否定できるものでもなく。

 彼女はそれを、誰よりも痛感していた。

 クドラクを狩った後にやってくる、酷い喉の乾き。

 その感覚を和らげるには、喉を潤すには、クドラクの血を飲むほか無かった。


 クルクの目の前で変わらずに微笑むこの男は、それを察してなお、この問いをクルクにしているのだろう。

 享楽以外の何にも興味の無いような頭をしているくせに。そうクルクが心中で毒づこうが、言葉に出してみようが、彼にはきっと何の効果も無いに違いない。


「図星だろ? でもそれはお前の本質は表せねえんだよな」

「――どういうこと」

「生まれたときにくっついてたおふくろさんの体の一部で、人生を左右されちまうなんて、俺は御免だな」


 そういうことだよと意味深に笑って、クルースニクの青年は立ち上がる。

 煙草と酒の匂いがクルクの鼻腔をくすぐった。


「ま、とにかくその“刺激的な口紅”は落としてから帰ることをお勧めするよ」


 じゃあな。

 酷くぞんざいに手を振って、クルースニクらしからぬ青年はその場を立ち去った。


「『自分のあり方』くらい、酔っ払いでも知ってるぜ?」


 そんな一言を残して。


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