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ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
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【コラム】('◇')ゞ(ラジャー)! ブラジャー!!

「前回がカッコよかったのに今回はヒデェ話でしたね」「石器時代に行きたかったのに」

幼女を背負った青年と背の上の幼女はぶつくさと悪態をつく。


「インキンを貰ってノーパンで敵を追い、おっぴろげジャンプして膝蹴りで色々晒して敵を討つ高貴な姫君とかいませんから」まぁ。この時代はまだまだ戦乱の時代で礼儀作法とか確立されていないから(震え声)。


「せ、せやな」「笑えないわよ。また赤木メルさんからメッセージが届くわよ」


 下手すれば削除来るね。申し訳ない。

って焼き土下座用の鉄板とか持ってこなくていいッ?! 何処から出したッ?!


「女性の進出と下着の発展は結構密接でね」「へぇ」

まぁムスリムは宗教上の都合もあるので詳しくは語らないが。


「あと、女性割礼ってのがアホホド痛くてヤバいのもあるし、纏足てんそくの問題もあるけど、今回は下着な」

鴉野と彼は『中世ヨーロッパ』の城内を歩く。


「なんで男は股間を強調しているんですか? 」「収納袋入ってたりする」というか、剣は股間に吊るす。

「なんで、みんな腐臭を放っているんです?! 」香水。日本の貴族もそうだけど風呂に入る習慣がない。

「なんか手づかみで食ってますよ?! 」「ナイフとフォークが導入されるのはもっと後」

ちなみに、手をテーブルの中に入れないのも、銀の食器を使うのも、ソースの使い方なども暗殺対策などから来ているらしいよ。



「この時代には。というか、資料によると古代ギリシアの時代にはブラジャーに相当するものが存在する。

パンツもふんどしや腰巻などの形で古来からあるね。熱帯地方の民族なら腰巻と入れ墨やペイントだけって服飾文化も珍しくない」

技術の発展で動きやすくて実用的な洋服が世界中を制覇していくけど、非実用的な服飾文化もあったんだ。


「ネクタイなんて結びにくいですし、ウザいですもんね」

「大学生なら結べるようになっておけばいいぞ。ちょっと賢く見える」

「ボクはバカに見えるってことですかああああああっ?! 」「見える」

少女に指摘され、ガックリする彼。「鴉野さんよりは賢いのにぃ」あはは。


 楽しそうに歩く三人は本来目立つが、皆は遠巻きに見てくれるようだ。

「でも、今のブラジャーを開発したのは1913年。メアリー・フェルプス・ジェイコブさんの発明。

当初は三角形のハンカチを使って、コルセットからはみ出た胸部分を守るものだったみたい」


 唇をつけないように手にキスして挨拶する彼。

その視線が豊かな胸元に伸びているのは鴉野は無視した。というか鴉野もガン見である。

「男って不潔」少女に突っ込まれる二人。


「下着は軍用の鎧下から発達したって考えもある。

19世紀は上下くっついたユニオンスーツが主流。あとから上下に分かれるけど」

「本文でも提案されていましたね」


 男たちは歩を進める。

ちなみに女性にはわからぬ話だが、男性の股間の睾丸は左右上下の位置が微妙にずれている。

これは運動でぶつかったり、不快な痛みを発生させないためとされている。そのせいで竿も曲がるそうだ。


「下着どころか、現代のスーツ職人も『右か左か』って必ず聞いてくるそうだし」「そうすか。青〇で買うからわかりません」まぁ俺も次に買いなおすときは〇山だろうなぁ。


「でもウーマンリブ運動の時にはブラジャーって焼かれますよね」「女性を拘束する象徴とされたから」

現在のニューヨーク州はトップレスで行動していても叱られないそうだよ。変な注目は受けるだろうけど。


「日本みたいに羞恥心だけの問題じゃなくて、宗教的な問題もあるし、女性のトップレスは話の筋違いだから説明は省くけど」

女性の進出と共に下着は常に進化し続けているんだ。


「じゃ、肺活量をあげて身体が不要に揺れないブラジャーとか魔法で開発されたりしてもおかしくないってことですか」「少なくとも、女性進出が現実世界並のファンタジー世界があったら開発されるかもねぇ」


 あの世界だと男が平均身長165センチ。女性が162センチ。

ほとんど体格差はないし、女性のほうが魔法適正が高い。その代りに不安定だけど。

チーアも下着を特注していたし、月のモノ対策もしていたな。

たぶんそちらは現実世界より発達しているかも。

「イラストレターさんがパンツ書けないとか、縛り強いもんな」「売り上げに響きますね」

いや、『夢を追う者』の時代でも今のショーツタイプの下着は特注品だけどね。


「悪名高いコルセット。17世紀の発明だし、ファンタジーの世界ではちょっとあり得ない」

ひょっとしたら、この世界ではコルセットが生まれることなく終わるかも知れない。


「大航海時代をもとにしたファンタジーを書くならコルセットもアリでしょ」銃があって海を駆けるファンタジーなんて書くのは大変だぞ。

「大航海時代と言えば、鯨の骨がコルセットやスカートの素材だったよな」「あ、聞いたことあります」

けっこう、色々歴史に影響している。捕鯨がなかったら日本の開国はもっと遅れていただろうし。


「ほかにも機械化で沢山の布が作られたり、色々要因があるよね」「男性の下着も常に進化していますからね」永遠に進化し続けるかも。人間の身体の細かい体型はすべて同じじゃないし。


「下着って大事ですね」「裸族もいるけど、今度は裸族の世界にいくかい? 」石器時代ってことで。

「いいっ?! 要らないッ?! 」少女が真っ赤な顔で彼の頭をパンパンとたたく。


「今度はもうちょっと大人しい世界や時代にいくのッ 」「はいはい」「次はどんな世界に行こうかなぁ」


経済や歴史。文化はニンゲンそのものである。そう思うようになってきた。鴉野は独りちると次の行き先を彼に告げるのであった。

「ぶっちゃけなんも考えてないから適当に飛ばして」「おい」「あのね」

三人の笑い声が城内に響き、彼らは忽然と姿を消した。

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