【コラム】武士道? 商人道だろ
今回は領土問題がテーマだけど調べてみるとアレすぎてな。話を分けることにした。
「そして肝心の領土問題は読者に調べてもらうことにした」
「まさに外道!」
しかたないじゃん。ネタが夢の国にはふさわしくないんだ。
「資源発見。紛争勃発の流れがギャグで流れて判りにくいです」
「だよなぁ」
鴉野はため息をついた。この話は可也難しい。その横で幼女を抱いた青年が謳う様に呟く。
「ゆうしゃよ。われとくめばせかいのはんぶん、やみのせかいをやろう」
子供の頃は「誰が要るんだよ」と思ったもんだが、コレをロシアの「不凍港が欲しい」という悲願と重ねて考えたら、某RPGの竜王の悲哀が判るなぁ。
「あの人、本来なら竜神様ですもんね」
闇も光も遍く照らす神様だったのが運命の悪戯で闇の世界を支配する魔王だもんなぁ。
ちなみにウラジオストクは『東方を侵略せよ』と言う意味だからな。
「軍事ってカネだよな」
「なにをいきなり?!」
鴉野と彼は某合衆国の基地にいた。UFOの秘密基地としてその手の方にはたまらない場所である。
「いやね。日本と他国の『共同開発』って、軍事で劣ると色々あるんだよ」
散々技術提供させられて、「あとは俺たちだけでやるから」と肝心の資源を取られたりするのが日本クオリティ。
「ちなみにアメリカも石油が取れるけど、輸出はしないんだよね」
「へぇ」
あの国はホント、チートだよなぁ。
「軍事とカネといえば、安部政権は軍事費を増やして景気を増やそうとしてましたっけ」
「マジで軍事はカネかかる」
具体的に言うと兵士の衣食住、教育。装備。何から何まで賄わないといけない。
「自衛隊に費用回すことの何処が景気対策なのってはいめは思いました」
「マジでこんなのが政治経済専攻なのか」
軍事政権には批判が多いが、教育面や治安面で発展途上国的に楽だったりもする。
教育、治安、産業を一括でやれるし、戦争が無い軍隊は可也理想的な組織だ。
男たちと少女はふよふよ浮いている円盤に驚いたり、人間外の姿をした異星人たちに挨拶しつつ奥を目指す。
「軍隊は人間全てっすか。そういえば米偽装で先日自衛隊がマジギレしてましたっけ」(※2013/3/13当時)
儲かるんだろうな。偽装。
「気付く自衛隊も大概ですよね」
「舌肥えているよな」
「ここ、どこ?」
不安そうに怯える少女を撫でる彼。ロリコンは大変だ。
「あのうわさのシェールガスとかメタンハイグレードで日本一発逆転は」
「『共同開発』と言われてショボーン確定じゃね」
肩をすくめてみせる鴉野に彼も苦笑い。
「エーリカさんは犠牲になったのだ」
「アレは人類には早すぎました」
某仮面のヒーローが乗るようなマシンをガチで作るな。日本。
「ほら、言論で戦うといっても暴力が背景にあるのは何時の世も変わらん」
「ですねぇ……でも軍のないコスタリカが」
「アレは警察が軍隊に該当する。そして警察と軍隊の垣根がない国は危険だぞ」
「じゃ、永世中立国スイス」
「身内同士でも金次第で殺しあうガチ傭兵国家だろ。あと銀行を持っている」
「日本」「アメリカが軍事担当」「地上の楽園」「舐めとるんか」
鴉野の中学時代の教師たちはガチで北朝鮮を地上の楽園と教えていたけど、自分で戦えないんだから人に守ってもらう以外にないしそれをやるなら相応の対価を支払う必要がある。
「バブル時代は調子に乗りすぎた」
「ぼくはバブル後に生まれているので判りませんけどね」
当時の日本は世界を買い取れるんじゃないかとか思っていたらしいが。
「地形的に見りゃ、韓国は日本を侵略するしか領土増やせそうにないし、ガチで戦えば負けるから島をチマチマ奪っていかないとダメ。で、北朝鮮は韓国が日本を侵略したらここぞと韓国を攻めないとダメ」
「韓国のみならず中国ロシアからみて日本や台湾、旧香港の位置ってめっちゃ邪魔すよね」
「海に出れないからなあ」
うちの国はえらいところにある。
日本は軍事をアメリカに投げて、アメリカから特許や援助を借りたら一気に伸びた。
「どんだけうちの国は危険なんですか」
「アメリカさんと日本海バリヤーさんマジ偉大」
軍事も『勝つ』だけではなく『儲かるか』が凄く重要だと思うぞ。
「最後に勝ったからトータルで黒字じゃどこぞのパチンカスですからね。マジで国民の命と未来と財産がかかっているから。遊びじゃありません」
そうだね。
「既に国家間で話がついたことを蒸し返して、他国との関係を考えて、謝罪と賠償をという議員さんはまず自分の財産を差し出して欲しいね」
「議員さんは権力と利権と身勝手な名誉を手に入れるからいいですが、実際に永遠に不名誉を受けて賠償するのは庶民ですからね」
「例の国会中継のニュースには大笑いした」
「アレはねぇ」
NHKがYOUTUBEに削除申請して議員さんが再度UPして更に炎上の流れは芸術的ですらある。
あの手の援助賠償への答えはいたってシンプルなんだよ。「それって儲かるの? 消費額と儲かる予想額を出せ」ですむ。
「カネでモノを決めるな。守銭奴」
少女が悪態をつくが「物事をカネで説明できない奴に人は救えない」鴉野はニヤリと笑って彼女の頭を撫でる。噛まれるが。いでで。
「守銭奴っていう奴は、手前の懐を増やせれば後はどうでもいい連中だ」
そんな奴ら『商売人』でも『政治家』ですらないよ。
真面目で良い子だなと鴉野は苦笑い。おかげで殺されかけたが。
「日本人は不謹慎だとラジオだの娯楽関係の文化を否定する節があるんだが」
「ああ。判ります」
「先の大戦では、その所為で技術差がマッハになって無線に圧倒的な差をつけられた」
全力で戦いながら余裕でスポーツ中継している国とは喧嘩できん。
「世の中には遊びと余裕が必要なんだよ。その遊びと余裕ですら勝つためかもだけど」
ほら。鴉野は自分の履いている靴を指差す。
「普通なら無骨な登山靴だけど、蛍光色の靴紐に変えてみた。安い投資でカッコいい」
履くだけなら元のほうがいいけどね。
少女が呟く。この円盤で戦争に勝つのかと。
「うんにゃ。観光」
「ですです」
平然と二人は観光に行くと返事してのけた。
「だってさ~。光すら何百年もかかる世界に来て、侵略とか戦ってられっかってヤツだよねぇ~~! レベル低すぎってやつだね」
宇宙人の言葉に。
「わっかる~~!」
「わっかる~~!」
「え……え。……これがあればわたしのくには」
戸惑う少女を尻目にかけたのち、遠くの星から来た『宇宙人』はそう応えた。笑ったのだろう。多分。