表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
128/128

エピローグ 君の名前は

 すべてが『情報』と夢の中に存在する世界にて、その小さな存在は震え、涙を流し、弱弱しく鳴く。

その身体からはいのちのきらめきが抜けていき、その魂は弱く切なく震えて。

……ただ滅びを待つだけだった。滅びを望んでいた。


「妖精の世界に獣が舞い込むとは」

『時々』あるが。その存在は告げる。


「犬か。愛らしい」


 その言葉を聞いた小さな存在は消えゆく命を尻目に猛然と牙をむく。

「こら。噛むな。せっかく助けてやろうとしているのに」


 どこからか何者かが近づいてくる。

もっともこの世界において『近づく』とは概念上の話であるが。

「どうした? 『ほしをおうむすめ』」「犬を拾った」

またその獣は彼女を噛もうと抗いだす。

「これは狼だ。娘よ」「そうなのか? 獣には疎い」

呆れる『父』に彼女は悪びれもなく告げる。飼っても良いかと。


「どうでもよいが犬ではない。狼だ。この世界ではそういった間違いは許されないことを覚えておけ娘よ」「理解している。犬だな」

また獣は激しく怒りの表情を浮かべ、まだ少女の面影を持つその神族エルフに噛みつかんとする。


「そうだ。飼うならば名前がいるな。……む。名乗る名もない? そうか」

思案し、『ほしをおうむすめ』は狼の赤子に告げる。

「『ディーヌスレイトつきかげ』だ。貴様の名前は今日より『ディーヌスレイト』で決まりだ。よき名であろう。感謝しろ」

光り輝く人々は去り、物語はまた紡がれていく。


~ 『星を追う者』『夢を追う者』『謎を解き明かす者』へ ~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ