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ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
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【コラム】さてさて次回のお話は

「これで物語は終わる。オツカレ」


 鴉野は告げる。二人の非難の視線を完全に無視して。

「ちょっと。鴉野さん。こんな結幕ないっしょ」「だよね」

元々、過ぎた力は世の中をゆがめるからね。

主人公は『はなみずき』に殺されて終わるのが最初の予定だったし。


「どっちにせよ、あの世界に彼が生きる余地はなかったんだよ」

あるいは彼女が消えて世界は再び閉じた伝説の中へ戻る『筈』だった。


 鴉野はひょいっと資料を引き揚げて告げる。

「俺も身の振り考えないとなあ。どうせこのまま何もないまま歳だけ取って使い潰しで死んでいく世代としては」主人公は最後にいい恋人出来て良かった良かった。


 そうつぶやいて去ろうとする鴉野に少女は小さな力と身体で思いっきりキックを放つ。

「なんとかするッ カラスノは作者でしょッ 」「流石に今回は私も同意できません。無理でもハッピーエンドでしょ。鴉野さんの作風からして」そうか? 結構どうしようもないエンドも多いぞ。短編とか。

というか、作者がそんなことしたら物語は成立しないしな。あくまで物語なり登場人物が何かしていかないと。


「神に頼る人間はいるが、神がすべてを定めて納得される世界はない」

鴉野はそう告げると肩をすくめる。

「そんなに不満? 」「当然ッ! 」「当たり前ッ 」

猛抗議する二人に鴉野は頭を掻く。


「そーいえば。お前、一番話と関係なくてコラムでも意味ないキャラだなと言ってたが。重要な事実があったわ。……てか。痛い」

鴉野の視線が自らの掌に噛みついて抗議する少女、否。娘に注がれる。


 鴉野は『履歴』と書かれた黒いファイルをパラパラ。

「こりゃ長いな。人間だけじゃなくて蝶に豚にナメクジに。

おまけに……世界が終わるまでか。忘れていても無理はない」

というか。作者ですら気づかなかったし。


「あれ? 」彼がいぶかしげにその娘に告げる。

「君、そんなに背が高かったっけ」

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