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ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
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大神

「フレア」


 彼女はもうあの枯れ、燃え尽きた森から動くことはない。

永い永い眠りについた彼女は、森と共に再び夢を見る。

自らが竜だという記憶すら、彼女にはない。


「父上」「ガウル。『かんもりのみこ』」


 国王は愚かな領主たちを諌め。戦い。ぼく等の前から消え去った。

ガウルと『かんもりのみこ』。オルデールとアンジェラさんはソル爺と『妖精の騎士』の力を手に入れて『アレ』に立ち向かった。


「『邪悪を打ち砕くは妖精の騎士のみ』か」伝説など、信じなければと彼女は嘆く。

ガウル。『かんもりのみこ』たちは。破れたのだ。


「そして、ぼく等も」「情けないな」


 生き残った騎士たちに撤退命令をだし、

ぼくと『はなみずき』はお互いつぶやく。


 生き残った騎士や領主たちはぼく等に詰め寄る。

死にたくない。生きたい。邪神の手にかかりたくないと。

その邪神を呼び覚ましたのは誰だったんだろうか。もうこの場にはいない。


「こうじょさま…… ごじゅじんさま……」


 何処からかぼくらを呼ぶ声が聞こえる。

その声を聴いた騎士たちや領主たちは耳を押さえてのたうつ。

死にたいと叫びだす老婆や少女、子供たちを押さえる。


「どこ…… どこ…… 『かげゆり』。どこなの……」


 この世界に、狼と人間の合いの子にあたる生き物はいない。

よく似た症状としてライカンスロープ、狼男などが挙げられるがあれは病気の一種だ。


 狼。大神。

「ねぇ。さみしいよ……みんな。どこ……」


 小さな狼の子に、無垢なる邪神の魂を内包した存在。

世界を滅ぼさんとする女神の魂を取り戻し、されど元の記憶を引きずり、さまよう石の像。

その涙を流す石像は、『つきかげ』に酷似していた。

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