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ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
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どっちがいいの?

「いやいや。ダメダメ。だめだって」暴れる『俺』にぼそっと『はなみずき』が呟いた。「わたしでは不満なのか」いやっ?! ちがうっ?!

すうと彼女の瞳が細まり、少し揺れるのを見て思わずうろたえたところに。


「じゃ私が」「ずるいぃ~」


 パタパタと長い耳と黒い肌の娘とサンカクの耳としっぽの持ち主が乱入。

「あら。店主さん相手なら私は別に構いませんよ」そういう娘? は包帯だらけのミイラ男状態である。絶対安静!!!


「というか、竜殺しの英雄ならアンジェラさんじゃないですか。傷が治ったら王様名乗りましょう。よりとりみどりの逆ハーレムですよ」「ガラじゃありませんし」お断りしますわとミイラ男は言う。そこに息急きかけてきたオルデール。

「アンジェラさん。全身骨折して唇すら溶けて鼻もげているんだから出歩いたらダメだよ」なぜ喋れる。オルデールは甲斐甲斐しくアンジェラさんを連れて施療院に戻っていった。意外と仲良いんじゃね? アイツら。

竜の血が残っていればアンジェラさんも治癒早かったんだけどなぁ……。

あの爆発性の劇薬を兼ねる血は使いようによっては最強の治癒薬の原料になるらしいが、騎士団や民に優先的に使っちゃったからな。


「けっこん。けっこん。私もするする」

「だよねぇ。フレアちゃん」「フレア……あげない」


 つつきあってじゃれあう娘たち。

お前ら勝手に変な話するな。フレアは絶対意味解っていないし。

あとフレア。何度も何度も言うが服を着ろ。服を。『かげゆり』だって服くらい着る。

たまに妙に露出の多い服を冬場なのに着ているが。

 魔族は露出の多い服を好むらしい。魔法的な都合だの体温維持に服を必要としないだの、衛生面の問題は魔力でカバーするだの、色々あるらしいが。

真夏日でも手袋までキッチリつけている『かんもりのみこ』とは対極的である。


「じゃ。しかたないの。ワシが美女になって操を捧げて」


 『俺』は爺の頭を即座に小突いた。マッハで瞬間移動して。

「な、ん、で、俺がお前と結婚しなければならないっ?! 」「物事には『びーえるというどくしゃうけ要素を混ぜると良い』とこの本に」「変な本を読むなッ 」

というか、美女になるならTSじゃないのか? 良く知らんけど。


「はぁ。仕方ありませんよね」


 妖艶な声がする。

「『はなみずき』はこの歳になってもお子様のようですし。

『はなみずき』より一〇歳年上の出涸らしで宜しければ私となんてどうですか? 」

しゃらりと出てきた美女は程よく背が高く、アンジェラさんに負けないかそれ以上にボインボインのボンキュッボン。

そういえば剣も余裕で振り回すほど運動力高かったな。この方。


「どうです? 」

 妖艶にほほ笑む『はなみずき』の姉君さん。

そういえばこの人、普段キレている姿しか見ていないから悪印象しかないけど妖艶さだけではなく気品もあって普通に凄い美人だ。

「魔導士ですので老化しにくいのですよ? 」そういってぼくの耳たぶに唇を寄せて『はなみずき』をからかうように目線を動かす。

「床上手さでもあの子よりずっと上と保障しましょう」う……。すげえいい匂い。

と言うか、年上美女とかモロ好みだ。


「ダメだダメだダメだ~~~~~~~~~~! 姉上は近づくなああああああああああああッッ 」


正気に戻った僕と舌打ちしながら楽しそうに笑う姉君を剣を片手に荒ぶる小娘が叱り飛ばした。

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