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ファンタジー世界de『貸し自転車屋さん』始めました  作者: 鴉野 兄貴
第二十二章 天使と猫と『はなみずき』
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Freedom is not Free

Freedom is not Free

※自由はただではない(犠牲の上に成り立っている)

朝鮮戦争を語るBBSにてある韓国人の発言より

 「開店します」

この世界の日照時間は短い。まだ日は登り切っていない。

それでも自転車を求める人々は列を作って待っていた。

「こんな朝早くに来ても開けませんよ」「お前は時間に律儀すぎる。店主」

商人のおっちゃんが文句を言う。「生き残ったからには稼ぐ。稼いでもう一回やり直す」

職人のおっちゃんの奥さんだったおばちゃんも腕をまくる。

「あたしが頑張らなきゃ子供たちはどうなるかね」

「さっさと貸せ。俺はこの荷物を隣町に運んで、竜を倒す武器を買ってくるんだ」

「さっさと持ってきてくれよ。うちの弟子どもが心待ちにしているんだからね」「おうっ 盗賊に奪われないように祈っといてくれッ 」


 夏が近いのに息を白く吐きながら彼らは大声で叫び合う。

「ほら。店主。さっさと貸せ。行ってくる」「持ち逃げすんなよっ 」「するかっ?! ……でも逃げたい。マジで」「殺すぞ」「うちに仕入れしなければ取り殺すぞ。バカ」


 バカなやり取りを交わし、彼らは走り去っていく。

「剣や魔法だけで戦うわけではないのだな。人間は」「ですねぇ。さっきも吟遊詩人の人がリュート片手に借りていきました。遠くの国の最新流行の楽しい歌を歌うって」


「おまえは今まで戦争協力を拒否していたが」「最低限はしていましたよ」

「自由はタダではない。今回こそは従ってもらう」「なんですか」

「廃棄車両はすべてドワーフが管理している。知っているな」「まぁそうですね」


「廃棄車両を利用し、攻城クロスボウの高速巻き上げ機及び立体魔導陣の発電装置として使わせてもらっている」なんだって?!

「おい。勝手に人の自転車を武器に使うなとッ 」「戦いで犠牲になるのは、命だけではない」


 彼女は辛そうにつぶやいた。

「夢も犠牲になるのだ」

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