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少女Aの証言。

作者: 沖田 楽十

 これは、とある騒動の、一人の少女の証言。片方だけの主張な為、全てを鵜呑うのみにしてはいけない。



「私……ほんっっっとうに、なにも知らなかったんですッ!!! 」

「自分達の仲間内だけで……其処までお喋りで、他人ひとからの信用を一気に失う恐れの高い重要な秘密を守る事も出来ない人間が、個人情報を取り扱う処で働いているとは思わないじゃないですか…っ」

「知らなかったから、好き勝手言ってたし、行動してたんです…っ! 信じてくださいっっ!!! 」



 少女Aはそう言って、顔をうつむかせた。膝に乗せた両手は拳で固められており、小刻みに震えている。

 彼女から時折ときおり、ゴキュっと生唾を飲み込む音が聞こえてくるが、それは緊張からか、ーーそれとも嘘を吐いているからか?



「少女A! そなたの証言が真実だというならば、その証拠を提示して頂きたい」



 裁判長の要求に少女Aは、ーー首を左右に振った。



「っ………出来ません…」


「何故だ? 」


「出せないんです…。だって……形に残せるモノでは、無かったから…」


「…では、証言に偽りではないと言える、証言者はいるか? 」



 その要求にも、少女Aは首を左右に振った。



「ッ………おりません…。居たとしても、自分や周りの保身ほしんに走る為、誰も証言してくれません…」


「…では、判決をーー」

「だからっ!!! 」


「!?」


「だから、今、証言するんですっ! 闇にほうむられるなんて嫌だ…。それに……このまま闇に葬ったら、また、同じ被害者が出る! それを理解してる者がいるから、私に、少しずつでイイから、証言して欲しいって…なにがあったのか教えてほしいって…訴えてくるんです……」


「………じゃあ問うが、みずからの心証しんしょうを良くするのだけが目的で、嘘偽りない証言なのだな? 」


「………わかりません…っ」



 少女Aの返答に、裁判長はいぶかしげに、眉間みけんしわを寄せた。



「何故わからない? 真実の話か嘘の話かだろ? ならば、ちゃんと答えられる筈だ」


「先程も言いましたが、この真実を語る上では、私一人だけじゃ、ちゃんとした証言にならないんです! その為には、真相を知る者達が、自分達の保身に走らず、私の証言に、これは正しい、これは間違いを指摘していきながら、慎重にやっていかなくてはならない…。でも……」


「保身に走るだろうから、自分達にとって都合の悪い証言は、そなたの嘘だと、真相は隠されるだろう、と? 」


「っっ………はい……」


「………ははっ…。ははは! ハハハハハッッ!!! 」


「!?」


「口で嘘は吐いても、本人は真実を語る」


「………えっ…? 」


「イイか。心が汚れてる奴っていうのは、写真映りでわかる。もし写真や動画を撮らせてもらえなくても、言葉遣いや、誰かへの接し方とか、文章の書き方とか、雰囲気とか……まぁ、本人の気付かない間に、その者達が嘘を吐いてるか吐いてないか、ちゃんと見てたら判るんだよ」


「ッ……そんなわけ…」


「じゃあくが、そなたは何故、この騒動に巻き込まれた側であり、引き起こした側に立った。それは、そなたが騒動を引き起こす原因となった者達の、不穏な変化に、気付いたからではないのか? 」


「!」


「心が汚れてる者は気付かないだろうが、なにも知らない、無関係な人間達程、心が汚れてる者が誰なのか気付き易い。何故なら、攻撃的な人間に、少しでも離れたいのが、生物的な本能だからな」


「………っ…」


「そなたが悪い事してないなら……堂々と、少しずつ、自分のペースで証言し、味方を作っていく努力しかないだろ? 」


「っっ………でも……」


「そして、決めるんだ。どんな解決策を見出みいだすのかを」


「! ……解決策…」


「あぁ。で、最終判断はきっと、今回の騒動の中心人生になってしまった、そなたになってしまうだろうが、…それまでの間に、一人でも多くの味方を増やし、その者達から、色んなアイディアをもらうんだ」


「ッ………出来る…んですか? 」


「そなたがこの問題を闇に葬られたくない、また同じ被害者を出したくない、と思うなら、出来る出来ないではなく、やるしかないだろ? 」


「………」


「…で、証拠不十分で、世間にこの騒動を持ち込む事が出来ず、水面下になっても、またそなたの様な被害者を出させない為、加害者達は、それ相応そうおう以上のお仕置きを受けてもらう」


「!? おっ…お仕置きですか? 」


「あぁ、お仕置きだ。幼い子供ならおびえるが、思春期ぐらいが聞いたら、ニヤニヤが止まらない単語だが、またの名は【拷問】の、お仕置きだ」


「………裁判長。お仕置き…拷問が好きなんですか? 先程までの、感情が全く読めない死んだ目が、めちゃくちゃキラキラ光ってるんですが…」


「その方法を、そなた、もしくは加害者の周囲の者達に考えてもらう。周囲の者達は、そなたの知らない所で、そなたが被害に遭わない様に、護る為に尽くしてくれていた。その分、辛く、苦しい想いを沢山してきている筈だからな? そなたや周囲の者達が加害者達を、少しらしめたって、やり過ぎなければ、バチは当たらん筈さ」


「あー!!! 無視したっ! 図星なんだァ!?!! 」


「ッッ………数年前…【鉄の処女】って文字だけのサムネの動画があったから、どんなのか期待したんだ…。そしたら……エグい拷問器具って知ってね…。そっから、暫くの間は、まぁそれ関連の、動画を観漁みあさって、少しだけそっち方面の知識があるってだけだ」


「ほおほお? 」


「………好い御身分ごみぶんだな? 俺への心証が悪いと、判決が如何なるか解っているのか? 」


「裁判長! 貴方は先程、素敵な言葉をおっしゃったではありませんか!! 心が汚れてる者は、嘘が下手くそだって! つまり、今、職権乱用で私を有罪にしたら、その時は裁判長の罪はバレませんが、時間とともに、裁判長の見苦しい姿で職権乱用してた事実がバレ、時間差という事もあり、裁判長の罪の問われ方ははかり知れないですよね?! 」


「っっ………おどすのか? 」


「まさかぁ? ………ただ、その言葉、そっくりお返ししたいなぁ、って」



 少女Aは、腹の底が読めない笑みをたたえて言った。それに、裁判長はこれ以上この話を引っ張ったら分が悪いと考えて、話題を逸らす事にした。



「先程のアレは、冗談だ。リラックスしたろ? 真面目な話程、力を抜いた方がイイと思うんでね。という事で、そなたの判決は保留ほりゅうだ! 」


「…えっ?! ちょっ…急展開!?!! 」


「急ぐな! 視野を広げろ!! そなたがすべき事は、問題の本質と、なにを護るかだ」


「………護る…? 」


「そなたは昔、かの者に言っただろう。誰を最優先に護りたいんだ? …って。最優先に護る者がハッキリしていれば、戦い方は有利に働き、其処から問題が解決し易いと言ってたではないか」


「ッ…でもあれは、アイツに合った話でーー」

「他人に向けた言葉は、自分に向けられた言葉だ」


「!」


「結局は、鏡なんだ。言葉が嘘で固められたとしても、その場合は行動で……自分が求めてるモノを、他人に向けてるんだ」


「っっ……じゃあ、他人によって態度を変えるとかは…」


「他人を馬鹿にする人間は、他人に馬鹿にされたい、って事だ。ちゃんと、行動に出ているだろ? 」


「………そっ…そんなバナナ……」


「……………言葉遣いが悪いなら、行動だけでも、自分がされて嬉しい事をすれば良い。少しずつ、自分のペースで良いから。それで、先程も言ったが、悪い事をしてないなら、堂々としろ。それで、自分が欲しいものは言葉に、素直に出来ないなら行動に、それも出来ないなら態度や雰囲気で示せ。お前は今、なにが欲しいんだ? 」


「っっ………私……私は………幸せを…日常を…大切な人達が、笑ってる世界にしたい…。私自身も、笑っていたい……笑いたいよ…! それにっ…それにっ……あぁっ…うぅっ…」


「なんとか、汚い願いを口にするのは耐えたな。じゃあ、大丈夫だ。問題の本質を見抜き、…原点から順に辿たどり、其処を突いていけ。味方になるかもしれない者達に、証拠となるモノを与えてもらい、集めていくんだ。もし証拠が弱過ぎて判決が不利だと思う場合は……水面下の、お仕置きの方法を、そなたとその者達に決めてもらおう。それで、これ以上の被害者を出さない様に心掛ける事だ」


「………ははっ…どんだけお仕置き好きなんだよ、ヘンタイ裁判長」


「そのヘンタイ裁判長を“生み出した”のは、そなただろ? ーー妄想に入りった侭でイイのか? 」


「!」


「………」


「……………」


「…」


「…………………チッ! ……あーあ!!! 」



 暗闇に包まれた世界と暫しのお別れの為、まぶたを持ち上げる。



「………今回は、結構面白かったのになぁ…」



 先程までのやり取りや世界観は、少女Aの妄想だった。

 彼女は、刺激的な日常に憧れており、日々、妄想の世界で、まるで何処かの作品の主人公の様な立場になりたがる、ーーちょっとあれなコだ。



「次は某ゲームの……あー…駄目だ。私、みんなから英雄えいゆう扱いされる主人公、ちょっと苦手なんだよね…」



 周りから期待されるのは苦手だ。ちゃんとこたえられる自信が無いから…。

 でも、他人と関わる事で得られる刺激に沢山触れたい!! という欲求は強くて……。一ヶ月に一回か二回、自分が〇〇作品の主人公だったら!? の妄想する時間をもうけていた。

 短く終わる時もあれば、盛り上がり過ぎて、ご飯を食べなくてはいけない時も、妄想しながらな為に、ほぼ水分だけでお腹をたす時もある。それぐらい、少女Aはこの時間が大切で、至福しふくだった。



「次は、どんな主人公を演じようかなぁ…。うーん……」



 少女Aは、妄想の世界だけが自由であり、幸せだった。妄想の中でなら、誰にも迷惑を掛ける事も、掛けられる事もないからだ。

 現実に絶望したのかといえば、そうではない。

 ただ、誰かに期待したり、されるのが、もう疲れてしまった。裏切ったり、逆に裏切られたりされるのが怖いから…。











後書き

私にしては壮大なテーマ……からの、神急展開ストーリーを目指しましたが、見事に玉砕しました。


現実なんてこんなものよ❗️


一番幸せな事は、普段の何気ない日常が続く事であり、それを維持する事。其処に、良い意味での変化が少し加わったのが幸運だと思います(`・ω・´)❤️



刺激的な日常とかね……子供の頃は、めちゃくちゃ求めていたんだけど、、、

深夜のネオンがきらびやかな大勢が集まる場所で、アルコール度数高めの酒を多く決め込んで、店をはしごしたり、【夜王】とか【夜の帝王】とか呼ばれたりされるのが夢だったんですけど…(←⁉️)


そもそもお酒がですね……

親戚から送られてきた、ひな祭り用の白酒が私のお酒デビューなんですが、、、

いやぁ……始終、腹抱えて笑いっぱなしで…。。


普段、そんな笑わないものに対しても、ずっと腹抱えて笑ってて、で、慣れない酒と笑い疲れで少し寝て、、

目が覚めた時に、少し頭が痛かったケド、それ以上に……酒の力でなにに対しても笑ってた自分にドン引きだし、自制が利き辛い怖さに、、、それ以降、全く飲んでません(笑)


酒の力に頼らず、笑えるものに笑いたいなので、もしまた酒を飲む日がくるとしたら……めちゃくちゃ気になるお酒が出た時か、あー……多分、もう飲まないかもなぁ…。。

いや、気になるお酒、何回かあったケド、手を伸ばすかどうかずっと悩んでる間に、もう取り扱ってなくて……期間限定だったからなぁ…。。



という事で、お酒は二十歳になってからだからね?

将来の自分の身体の事を考えて、行動しないと……健康寿命が縮むぞ?

老人になってから、同い年ぐらいの人が元気そうなのに、自分は…なんて嫌でしょ?

なんでもかんでもルールを守れとは言わないケド、未来の自分が幸せになる方を考えて、行動しようね❗️


で、大人になってから酒を飲みなさい‼️

大人になったから、お酒を受け付けても大丈夫な様に、身体が出来上がってる筈だから、身体への負担は……未成年の時よりは少なめだと思う…多分((←⁉️

我慢したんだ…憧れてたワケだから……まぁ、上手いに決まってる(〃ω〃)(※個人差があります)

で、自分に合った適量で楽しく飲む事❗️酒は、飲んでも、飲まれるな‼️



此処まで読んでくださり有難う御座いました!!!!m(__)m

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