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第十二話

私はしばらく気が抜けたように突っ立っていたけど、ぽとり、と落とすようにサイコロを転がした。

「4」が出た。なんとなく、あと少し遅かったら1が出ていて20マス分戻されてたかもしれない。そんな気がした。

マスに書いてあったのは「思い出の花」だった。

花には、あんまりいい思い出がない。

私はその場に座り込んだ。

一年生の時、朝顔を育てた。私の名前と同じ、「双葉」が生えてきた時は嬉しかったけど、双葉はそのまま成長せずに萎れてしまうんだ。

それがちょっと悲しくて、このまま育たなくていいと思っていた。

だけど、朝顔は綺麗な薄紫の花を咲かせた。私の鉢の朝顔だけど、私の花じゃない気がした。

その頃からだったかな、私が絶対クラスの中できらきらしてる子たちみたいになれないのに気付いたのは。みんなが主役って、先生は言うけど、私はずっと双葉。萎れるのを待つ双葉。

「はあ」

膝を抱え込んだ。マスの光が消えて、辺りが薄暗くなる。

お題:思い出の花

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