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第十一話

ドッジボールで最後の一人としてボールを投げる時になったような、ボーリングの玉を投げる時みたいな、そんな緊張感でサイコロを投げた。

「2」

「20マス戻る」ギリギリ手前だった。まだ気は抜けない。

マスに書かれていたのは「穢された祖母」だったけど、私には「穢」という漢字が読めなかった。

「祖母」なら分かる。おばあちゃんのことだよね?

私は北海道に住むおばあちゃんのことを思った。冬休み、いつもは家族でおばあちゃんの家に行って年を越してたんだけど今回の冬休みは行かないことになった。楽しみだったのに。

……だから、この難しい漢字は「がっかり」とかそういう意味なんだと思う。うん。

「違うよ」

前方のマス……、すぐ前のマスから声がした。

羊のふわふわした声ともゴルゴンゾーラハゲの勇ましい声とも違う、ちょっと鼻にかかったような声。

「それは、けがされた、と読むのさ」

後ろの方から「毛がどうしたって?!」という叫びが聞こえたが、それは無視して、

「怪我?」

と聞いてみた。

「ははは。そうかもしれないね。僕に弄ばれたのだから」

穏やかで、だけどどこか信用出来ない声が言った。

「もしかして、あなたは狐さん?」

それに答えるように、コーンと一声高い鳴き声が聞こえた。

お題:穢された祖母 必須要素:北海道

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