マリス・ピッコリコはいつも元気
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
ランキング順位に驚き、とても嬉しく思います。
たくさんの方に読んで頂き、ホントにありがとうございます。
続編追加いたしました。
マリス・ピッコリコはいつも元気【 少し先に進んだ日常 】
よろしくお願致します。(/ω\)ペコリ
https://ncode.syosetu.com/n3674hy/
誤字脱字報告ありがとうございます。
続々編追加しました。
クリスマスシーズンのお話です。
マリスの日常を描きました。
おすましはちょっと控えめです。(*^^*)
読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
https://ncode.syosetu.com/n0237hz/
ねぇ、知ってる?
最近ラノベ転生って聞くでしょ。
アレ流行りなのかな?
と言っても、どの地帯の流行りなのか知りたくもないけどね。
死神系?神様系?て訳わからないでしょ?
何でこんな事言うのかって言うとね。
「あぁぁ…… 誰もこんな事望んでいないのに……… 」
そう私もどうやらその異世界転生ってヤツをした様なのです。
別に神様とか逢ってないよ。
だから別に好き勝手していい系だと思うの。
するとここで、頑張るぞ~となるんだろうけど………
私は別に、生まれてすぐから記憶があった訳じゃないの。
コレには神様に感謝だわ。退屈でたまらないと思うもの。
それじゃあ、いつ思い出したのか気になるわよね。
別に病気をしたとか、大けがをしたとかじゃないの。
ただふとお山の形状を見て、なんか昔何処かで見た事あるなぁと思ったら、ヒョコッと思い出したってヤツね。
その後はジワジワと滲み出て来る様思い出し、記憶がこれまたジワジワと浸透して、今の私になったという事よ。
おかげで高熱も出すことなく、普通に元気に過ごせたわ。
私の身体、すこぶる丈夫に出来ているのかしら?
さて自己紹介するわね。
私の名前は、マリス・ピッコリコよ。
なんか変でかわいい名前でしょ♪
この世界は平民も、苗字らしいものがあるのよ。
どこどこのマリスさんみたいな感じね。
ピッコは花の名前なの。リコが町名よ。
だからリコという町の、ピッコの花が目印のマリスさんって意味。
そしてうちは商売を生業としているの。
コンビニエンスストアに近いかもしれないわね。
『日常的に使う物をいつでも気軽に買える』がコンセプトの商売をしているの。
お父さんは商会の次男坊で、暖簾分けしているのよ。
お母さんがこの町の出身者で、お父さんと結婚してこのお店が出来たって訳ね。
親類縁者とても仲良しだから、よくうちの家に遊びに来るのよ。
そろそろ私の誕生日、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが来る予定で楽しみなの♪
お父さんのご両親で、遠く離れているのよ。
だから、いつも歓迎の気持ちを込めて何か準備しているの。
今度はどんなモノがいいかしら?
今日は町を歩いて、ウロウロと散策中よ。
何かいいアイデアないかな?何かいいモノ見つからないかな?
今までどんなモノをプレゼントしたか教えてあげる。
5歳の頃は、花でハワイのレイをマネて作ったの。
歓迎の気持ちを込めて、花やシダみたいな草、実を組み合わせて作ったわ。
もちろん両親に説明して、実に穴を空けるとか、紐を結んで貰うとか手伝ってくれたの。
そしてハワイの様に、「ようこそわが家へ~♪」と言って、首にかけて歓迎したわ。
すっごく感激したお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの姿を見て、楽しいと思っちゃったの。
おかげでそれがうちの歓迎の儀式になり、今ではリコの町の歓迎儀式へと変化した。
皆とっても嬉しそうで楽しそうなの♪
それに子供達には小遣い稼ぎにもなって、素敵なレイを作っているのよ。
こちらでもレイって言っている。
私がお礼のレイで『レイのお花』と言ったのが理由ね。
6歳の頃は、また違った物を考えてプレゼント。
思い浮かんだのは、芳香剤代わりになるポプリよ。
うちはコンビニエンスストアだから、野菜や果物が沢山あるの。
お店に出せない傷だらけの物、形や大きさが悪かった物もね。
そういった物は加工されるんだけど、その工程で出る皮や種とかそういう物を貰ったの。
他にも農家さんが話を聞いて、沢山いろんな物をくれて、材料豊富になったのよ。
それに花も沢山あるわ!ピッコの花が目印だもの。
だからいろいろ試作する事が出来て、今ではうちの町の名産品になっているの♪
私がお祖父ちゃん達にプレゼントした物は、器にドライした花と果物、そして少量の油を入れたポプリポットよ。
優しいピッコ香りと果物の柔らかで甘い香りがするの。
だからお祖父ちゃんには爽やかなミントと柑橘系の匂い袋をプレゼント。
町の名産品には、お酒に付けた物やキャンドルにした物・サシュもあるわ。
凄く好評で、いろんな町に流通しているのよ。
公衆入浴場では塩漬けした物が入浴剤になり浮いているわ。
「マリス、何をしているの?」
お兄ちゃんが不思議そうに私を見つけ聞いて来る。
そう私にはお兄ちゃんがいるのよ。
名前はジュリアス・ピッコリコ、銀髪に空色の瞳でとってもカッコいいの♪
「お兄ちゃん、マリスは今思案中なのよ。」
「そっか、でもそろそろ家へ帰ろう。インカゴールデンの風が冷たいだろう」
気付けば太陽が落ち始めていた。
地球時間で言えば、17時くらいかな?
お子様が遊んでいるには、遅い時間だった。
「ごめんなさい。お山眺めて考えて気づかなかった」
「そうだろうなとは思ったよ。ヨッカ爺がマリスが石像になってたぞと言っていた。」
お兄ちゃんと手をつなぎ帰る。
インカゴールデンのお山に手を振ってのんびりと歩いた。
ちなみにインカゴールデンという名前もだけど、マチュピチュ山に似ているの。
そして私達が住んでいる所は、マチュピチュ村の大きい版ね。
だから標高が結構高いの。
それを考えるとお祖父ちゃん達が、毎年1度来るだけ凄いのよ。
だってここまで来るには、キャラバン隊が必要でお金が懸かる。
結構強い魔獣だっているんだもの。
ちなみに私の誕生日に来るのは、夏場だからだそうよ。
ついでにお祖父ちゃん達以外にも、叔父さんや伯母さん達もちょこちょことやって来るの。
それを考えると「ホントよくここまで来てくれてありがとう」と感謝しちゃう♪
おかげでこんな山高い所なのに、日常品がなくなる心配がないわ。
町の人達も凄く感謝して、親類縁者の人達が来ると皆歓迎してくれるの。
私とっても誇らしくて嬉しいの。
”今年は何をプレゼントしようかな♪”
とってもワクワクする、私の楽しみだわ。
****************
俺には妹がいる。というか8歳の頃に出来た。
妹は知らない。ホントは従兄なんだ。
俺は婚外子ってヤツだ。母は俺を産んで亡くなった。
お陰で肩身の狭い思いで育ったんだ。
「すまないが、今からマッチリア領のリコへ行って貰う。そこに私の弟夫婦が住んでいる。今からお前はジュリアス・ピッコリコだ。アマリリスという3歳になる妹がいるから仲よくしろよ。詳しい事は弟へ聞いてくれ。」
父親からの突然の呼び出し、何事かと思えば出て行けという事か?
冷遇はされている訳ではいない。
ちゃんとした衣食住と家庭教師、何不自由のない生活を保障されている。
ただ周りの環境が悪く、陰口や嫌味・戯言など陰湿なだけだ。
「それはどういう意味で?私が何かやったのでしょうか?」
「それはない。ただ弟夫婦の手助けをして欲しい。お前は優秀だが、ここはお前に悪影響を及ぼす場所だ。周りの者達が不愉快で碌な事をしないと思う。弟が生まれた事で拍車をかけるはずだ。そういった意味でもお前はここにいない方がいい」
「私はそちらに籍を移すという事でしょうか?」
「そうだ。そして今までと違い、伸び伸びと自由に育って欲しい。それがお前の母の願いでもある。今更このような事を言ってもだが、私はちゃんとお前を認め誇らしく思っている。だから頼む。あちらに行けば判るが、妹をしっかりと守ってくれ。」
妹になるアマリリス、通称マリスは覚醒者だそうだ。
時折その様な者が、この世界へ降り立つ。
その存在は神の導き手とも言われ、世界各国は目の色を変えて欲しがる。
そして我が国の降り立った場所は、インカゴールデンという神の住む山。
そこに住んでいる者達は、異能と異才の集団と言ってもいい。
父親の弟もそんな人物の一人だそうだ。
「とにかく特殊なんだよ。弟は騒動を起こす天才だった。魔力量が半端ないから、いつもどこかで爆発を起こす。アイツの子供の頃は近づく事さえ命懸けだ。」
ウンザリとした顔で話す姿は、常日頃の姿とはかけ離れている。
更に、後ろに控えている側近達に指を差し示して言う。
「こいつ等もいろいろと巻き込まれて、大変だったんだぞ。」
「そうですね。私は髪を燃やされ、一生髪は生えないと言われた時はもう本当に……… 」
「そんな事もあったなぁ。あの時は本当に大変だったよな」
ウワ~…… それは地獄な思い出だな。
今はフサフサ状態の長い髪を見つめる私。
側近達も、いつも威厳ある威圧的な態度はどこにもない。
まるで打ち捨てられた犬の様で、情けない表情をしていた。
大なり小なり、皆同じ様な事があったのだろう。
「私にそんな危険な人物と家族になれと言うのですか?」
はっきり言って遠慮したい。
もしかして暗殺される危険あるこの場所が、安全だったりするのでは?
「大丈夫だ。アイツもいい大人で子持ちだからな!」
いい笑顔を見せる父親と側近達。
ホントかよ…… と思いながら私は旅立った。
結果から言えば、とっても平和でのんびりとしている。
妹のアマリリスはとっても可愛いし、母親代わりのユーリアさんはとても優しく料理上手。
そして問題の父親になるジョーダンさんは………
「今日マリスからお魚さんも水の中で生きているなら、水の中にも空気があるのかな?と聞かれてな、俺の娘天才と思わず褒めちまった♪」
いつもニコニコ笑顔で朗らかなジョーダンさん。
父親から聞いた恐ろしい話は嘘の様だが、実際魔術バカでとんでもオヤジだった。
「ウフフ♪今日はデザートがあるのよ。マリスちゃん持っておいで」
「あい、おかぁたん♪」
チマチマと歩き、ウンショウンショとバックを引きずって持って来る。
ホント俺の妹、チョー可愛い!
俺は父親に感謝している。もうあの場所に戻ろうとは思わない。
俺は椅子を立ち、アマリリスを少し手伝う。
「あんがと、にぃーちゃ♪」
「うん、可愛いお姫様のお手伝いできて幸せだよ」
頭をなでなですると、フクンと鼻を鳴らし嬉しそうな顔をするアマリリス。
ああ、もう一生アマリリスと暮らしたい。
確か従兄妹同士で結婚できるよな?
俺は密かにコッソリと考えた。(養父が怖いから)
アマリリスがなぜマリスと言われているのか?
それはアマリリスの舌に由来する。
アマリリスの舌は通常の私達に比べて少し短い。
そしてこの世界言語は巻き舌が多く、魔法を行使する時など巻き巻きと言ってもいい位だ。
アマリリスは「リ」の発音が特に苦手だからマリス。
「ア」はどうやら「リ」を意識して忘れているのだろう。
実際「アマリス」より「マリス」が可愛いからいいのだ。
とにかくマリスは、「おっ!」と思う事を口にする。
それが覚醒者たる所以なのだろう。
お陰で氷が日常的に使える様になる。
「水の中に空気」発言のおかげで、お湯もすぐに沸くようになった。
リコの町は標高が高い上に、インカゴールデンの風が冷たい。
だが湯をすぐ沸かせるおかげで、公衆入浴場を作る事ができた。
もちろんこれもマリスの発言が発端だ。
今では皆のコミュニケーションの場になり、様々な恩恵をもたらし喜ばれている。
「ホントあの入浴場のおかげで医者いらずだな。疲れも取れるし、癒しにもなる。最高だよ♪」
「さすがわが家の天使♪」と頬にチュッチュされ、うざったそうにしているマリス。
ニコニコ笑顔のジョーダンさんとスンとしたマリスの表情対比が面白い。
「石鹼を知ったらもう無理ね。マリスが言っていたシャンプーとリンス、他にもいろいろとあったけど、多分同じ様な物だと思うの。直ぐに開発に着手しないとだわ♪それにマッサージチェア気持ちがいいわ。温布を顔に当ててすると幸せよ♪」
「俺は入浴後の冷たい飲み物がサイコーですね♪」
「「それ外せないわ!」な!」
マリスはウトウトとジョーダンさんに抱かれている。
「ジョーダンさん、マリスを寝かせて休ませて貰います」
俺とマリスは同じベットで寝ている。
護衛の意味を兼ねているが、こんな寒い日はご褒美だ。
「ジュリアス、そろそろ親父とでも言え。じゃないとマリスが変に思うだろう。」
「それなら私はお袋かしら?」
おっとりとしたユーリアさんが笑いながら言うが、お袋は似合わないと思う。
「それでは、オヤジと母さんでいいでしょうか?」
少し恥ずかしさを抑え、確認がてら呼んでみると凄く嬉しそうな二人。
「ではおやすみなさい。オヤジ、母さん」
「ああ「ええ、お休み」」
これからもいろんな楽しみが待っているのだろう。
マリスと共に………
そしてマリスが5歳辺りを境に、より覚醒者として暴れ始める。
****************
さって♪さって♪な~にを作ろかな♪
取り出したのは、鉄クズ・木炭クズ・汚れた岩塩(口に入れない物)・魔石のクズ。
これで出来るかな?ホントはバーミキュ何たら?ってものらしいけど、火の魔石で代用できないかな?
出来たらラッキーって事で試しましょ。
だってリコの町は寒い土地だもの。必要だもの。
いつも兄ちゃんと寝てるけど、私7歳になるのよ。
お兄ちゃんなんて12歳よ。
いつまでも妹とおねんねなんて良くないわ。
抱き枕とかどうかしら?カイロが入る抱き枕。
ついでにポプリを入れても素敵じゃない!
安眠効果サイコーよ♪
お年寄りにも身体暖かく寝れるし、ほっこりするわよね!
喜んでくれるかなぁ♪
7歳の誕生日を迎えたマリス・ピッコリコ。
彼女が開発した『ほっこりピッコロ抱き枕』。
抱いて寝る枕で、中に癒しの花ピッコのポプリと、揉むと暖かくなるカイロというモノが入っている。
このカイロは、冷めても揉めばまた使えるという優れ物。
妊婦や年寄り、病気療養中の者など寝る時に便利と人気を博す。
また子供にもベットのお供と愛用され、出産祝いに贈られる逸品になる。
ただしジュリアスにとっては涙の一品だ。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)
続編検討中です。連載にしようか悩み中。
クリスマス近くにまた続編投稿したいと思っています。
楽しみにして頂けたらと思います。
どうぞよろしくお願い致します。