俺、スライムになっちまった・・・第6章
第6章 ー 拉致 ー
研究所に来てそろそろ1年・・・身体?能力をチェックされたり、AIと能力比べをしたり・・・ちなみに将棋は145勝5敗だ、なぜ?記憶媒体が多分数千万TBぐらいあるし、CPUも10個ぐらい搭載しているみたいなものらしい。
数年前のスーパーコンピューター以上の能力のようだからだ。
運動能力は転がることはできるようになったが、時速は30キロが精一杯、目がついていかないからだ。
後はジャンプは自分ではできない。転がって飛び出すことができる程度・・・
ただし、伸びる。この間、25mプールで試したら、半分ぐらいの面積まで広げれた。
伸びる方も普通のロープのサイズなら50mくらいは楽勝だ。
あと、試したのはお酒だ・・・やっぱり親父の頃の習慣が抜けないからだろう。
メチャクチャ弱い・・・以前はそこそこ飲めたけど、肝臓とか浄化する機能がないからだろうなぁ・・・
しかし、吸収せず、体内に溜めておくこともできる。夜中にこっそり飲んで、酔っ払っていたりする。
「飲まずにやっていられるかってんだ!」
おっと失礼・・・
それに、研究所のラボには可愛いスタッフもいて、実験の傍ら話し相手になっていたりする・・・
「バイオさん、聞いてくれます?昨日、お母さんから電話があって・・・」
なんで女性って話し好きなんだろうな?・・・
「今は簡単に連絡できるし、大事な娘のことは心配で仕方ないんだよ。」
「バイオさんは優しいな・・・バイオさんみたいな彼が現れないかなぁ・・・」
・・・・
「モテモテですね、バ・イ・オさん・・・」
「竜二・・・帰ってたんだ。」
「ええ、先ほど戻りました。」
あれから竜二とマキは遠距離になったが上手くやっているようだ。
「マキからよろしく伝えておいてって言われてます。」
「鼻の下、伸ばして・・・」
「彼女は天使ですから・・・」
だからって、にやけ過ぎだ。
「仕事しろ!」
「はい、それでは報告をしてきます。・・・」
プルルルル・・・
「あ?マキからだ・・・はい、竜二です。仕事中の電話は緊急事態ですか?」
『マキさん?かな、塚本先生、彼女は預かった。』
「マキを預かるって・・・あなたは誰なんだ!」
「どうした、竜二俺も聞いていいか?」
体を伸ばし、竜二の腕から携帯に張り付く
『塚本先生、慌てなくって良いです、彼女には何もしませんから・・・ただ、先生、変わった生物を飼ってらっしゃいますでしょ?それが欲しいんですよ。どうです?彼女と交換ってことで・・・』
「彼女を返せ!そんな生物なんているわけがない!」
『いやいや、厚生省に送った研究書簡、確認させて頂いてますよ、先生に選択権なんてありません。嫌ならどうぞ、明日の朝には彼女がどこにいるかは知るませんよ。』
「マキは無事なのか?」
『もちろんです、大事なゲストですから丁重におもてなししておりますよ。』
「どうすれば良い・・・っ」
『追って連絡をする、その生物を容器に入れ、一人、車で名古屋に向かえ、追って、この電話に連絡する。』
「わかった・・・」
『言わなくってもわかっているだろうが、警察に連絡するなよ、先生・・・』
許せないな・・・とりあえず、どの組織なのか調べなくては・・・・それと、マキを取り戻さなきゃ・・・
「竜二、俺に考えがある。 所長から厚生省の方に連絡をしておいてもらってくれ。」
「どうするんですか?マキが・・・」
「落ち着け、とりあえず車を用意してもらえ。俺は、ネットから手がかりが見つからないか、探ってみるから」
「わかりました、お願いします。」
竜二が準備をしている間に、俺はマキの家の周辺の防犯カメラをサーチし彼女を探してみる。
すると、何やら親しげに話す女性がいた。その女性とタクシーに乗り込む・・・2時間前だな・・・
車のナンバーをひかえ、Nシステムに潜り込む車の追跡を始めると、車は名古屋港に入って行った。
「バイオ、車の手配ができた。」
「奴らは名古屋の金城ふ頭だ、向かうぞ!」
「はい」
車に乗り込み、ハンドルを握る。
「え?バイオの運転??」
「まあ、任せろ。」
アクセルを踏み込んだ。