俺、スライムになっちまった・・・第4.5章
第4.5章 ー 研究、分析&トレーニング ー
病院で研究を進めるには人目が多すぎるとのことで、製薬会社の研究室に移動した。
未知の生物になってしまった自分を分析しつつ、生きる方法を模索している。
ここにきて1週間、現在までに分かった事は・・・
1: 外皮は常に交代しながら人間の皮膚の硬度で言うとほっぺたから肉刺までの硬さに変えられる。
2: それぞれの細胞が熱を発していて、基本の体温?は37.5度
3: 水分、食事はするが、歯のように砕く構造が無いためサプリメントが効果的である。
4: 細胞は分裂もするが、一塊に戻ることができる。
5: 短い距離なら球体に擬態して移動可能。
6: 仮説ではあるが、細胞のそれぞれは一個でも活動できる。
7: これも仮説だが、細胞はいろんな組織に何度も変わることができる。
そして、色々と試していて、内密にしていることも多いのだが、体内で電気が作れるみたいだ。多分、これは細胞同士の擦れによる静電気のようだが、体内に蓄積できるようだ。どのくらい貯めれるかわからないが・・・
後、今練習している事は、カルシウムを使った外骨格を作ろうとしている。
これができれば、ロボットのようにだが外部での活動もできるようになるかもしれない。
どうやっても今のままじゃ隠れて過ごすような事しかできそうにないからなぁ・・・
毎日、自分の体に問いかけながらどうすればいいのかを繰り返している。一つ分かった事は基本は通常の人間と同じ構造素材を取り込むことができるようで、金属も鉄や鉛は量に関係なく体内にしまえるようだが、体自体の重量は増してしまうため、筋肉を作らなければいけないが、筋肉は自分の細胞では構築して増量は難しいようだ。
だから、とりあえず、カルシウムを大量摂取して外骨格を完成させようよ思う。
トレーニングルームを徘徊している。どれだけ動けるのか?疲労は今の所感じないが、体を丸くして転がると目が回る。三半規管は無いから酔うわけじゃないけど、視線を一定にできないからふらついてしまう。
「あっ・・・」
スタッフにぶつかってしまった、体を柔らかくして彼女を受け止めた。その時彼女が手にしていたタブレットが体の中に入り込んだ。
「んっ??」
タブレットのコネクターから電気情報が飛び込んできた・・・
「なんだ?、この配列数字は?」
彼女を立たせてから、タブレットをスピーカーにして
「タブレットがあれば貸して欲しいけどあるかな?」
「それなら、そのタブレットはサブ用だから使ってください。」
「ありがとう、借りるね。」
タブレットを体内に入れたまま部屋の隅に移動し、コネクターからアクセスを試みた。
最初はわからなかったが、この配列の法則を見つけ、アクセスが完了する。
電気の信号が考えるだけでつながっていく。
ネットの回線は繋がっていけるかな?そう考えてだけでWEBに入り込んでいける。
頭の中にいくつかのウインドウが広がる。周辺のWi-Fiにダイレクトに繋がってしまった。
これも内密にしないとダメだな・・・
いつものベビーバスに体を移し休めるようにしながら誰にもわからないようにネットにアクセスを開始する。
さまざまに構築された暗号回路が行手を遮ろうとするが、セキュリティー自体がまるで自分を呼び込んでくれるように繋がっていく.それらの情報がどんどん頭に飛び込んでくる。
どうやら自分の体の構造が見えてきた。約37兆とも言われる細胞が全て脳であり神経であり筋肉で、細胞内に分子化した金属類を貯めておくことができる様だ。
体の活動は酸素と栄養素で動いてはいるが、前例の無い細胞なのでまだ分析の結果は出ていないだろう。
ちなみに、研究室に行った自分の一部は養分を与えてもらっているのでまだ活動している。
重要な情報も得られるかもしれないので、しばらくは分離したままにしておこうと思う。
10日程の研究室での分析とトレーニングで外骨格をカーボンで作成してもらい、その中に体を押し込めることで、人間と同じように歩く訓練もできた。
ただ、このままでは気味悪く思われそうだ、身長170cm、体重70kgだったが現在45kg・・・
体脂肪が0%だもんなぁ・・・
深夜、完全に眠ることがなくなった俺は用意されている飲み物を吸収しつつ、ネットに繋がっていた・・・
(これって・・・詐欺グループのアカウントじゃないか?・・・脅しメールで金を送らせるやつだ。以前、俺のパソコンにもよく届いてたもんなぁ。!そうだ、こいつらのアカウントにスパムメールを送って困らせてやろう。)
暇つぶしになる・・・俺は奴らが受け取り口座を記入した時点で、口座を管理するサイトに詐欺グループの口座が知らされるようにしたスパムメールを見つけたアカウントに送りつけてやった。
これで被害者がいなくなればいいけど・・・
後日談だが、いくつかの国でネット詐欺のグループが摘発されたと知った・・・・