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受付嬢、勇者を振るってよ  作者: 湯倉うなじ
勇者?だからなに
5/11

1-3

仕事風景です。


勇者様が依頼書を持って帰ってくる。その依頼はSランクのドラゴン討伐クエストだった。・・・・・というかまたドラゴン討伐ですか。他の討伐クエストも受けてくださいよ。Sランクの討伐対象のドラゴンはだいたい弱い方なんですから。


「このクエストを受注します」

「はい、わかりました。以前にも説明しましたが、クエストは指名依頼以外の場合、失敗してもペナルティは発生しません。その代わり、失敗されてしまうと報酬は発生致しません。それでもよろしいですね?」

「はい。いいですよ」

「それではクエストの説明に移らせていただきます。今回のクエストは『村に襲撃するドラゴンの討伐』です。依頼主の話によりますと、ドラゴンが毎日依頼主のいる村に襲いかかり、人や家畜などを食い荒らすそうです。そのため今回の討伐依頼を受注なされたそうです。詳しい説明は依頼主にお聞きしてください。場所は『ファータ村』です」

「わかりました。それでは、行ってきます」

「お気をつけて」


そして勇者様たち一行は冒険者ギルドを出た。それを確認して私は疲労を感じる。


「アハハ。大丈夫?」

「・・・そう見える?」

「アハハ。・・・ごめん見えない」


はぁ、ほんと嫌だ。なんであんなにも執着されるのよ。なんか前に「あれ?おかしいなぁ。こういう場合って受付嬢もヒロインになるはずなんだけどなぁ・・・・」とか呟いていたのが聞こえてきた。なんでか知らないけど、そのとき背筋に寒気を覚えた。なんか知らないけど、取り敢えず自意識過剰だということはそのとき分かった。


朝のこの時間は冒険者の方々はまだ少ない時間なので、その間に受注されたクエストの確認や報告書の作成、それと新しい依頼書の貼り付けなどを行う。


そんなことをしていると、いつのまにか冒険者の方々が増えていた。それを確認して後輩に作業を任せて受付業務に戻る。


「おはようございます」

「おはようございます。あの、この依頼を受けたいのですが」

「はい。『ゴブリンの巣の調査』ですね。確認しておきますが、今回は戦闘行為は一切しないでください。たとえ女性の方が捕まっていたとしてもです」

「あ、はい。わかっています・・・・。たしかゴブリンの警戒心をあまり刺激しないため、でしたよね?」

「はい。一度警戒されてしまいますと、災厄、巣の場所を変えられる恐れがあります。そのため仲間が攫われたとしても救出に行かず、こちらに連絡をして下さい。非常な言い方かもしれませんが、被害は最小限に留めないといけませんので」

「・・・・はい。わかりました」


次の方。


「おはようございます」

「おう。早速だが、この依頼を受注してくれ」

「オーヴァーさんの場合、このクエストは簡単すぎる気がしますが、構いませんか?」

「おう。最近女房のやつが『危険な場所にはもう行くな』ってうるさいから以前のように僻地の探索とか行けなくなっちまったんだよ。悪いな」

「いえ、残念には思いますがそのような事情なら仕方がないと思います。では『ロックゴーレム討伐』を受注します。詳細な説明はどうなされますか?」

「後ろがつかえているからいいわ。依頼主に直接聞くことにする」

「わかりました。依頼主は東門前にいらっしゃるそうです」

「おう。あんがとな」


次の方・・・・チッ、王族かよ。


「どのような依頼を受注なされますか?」

「この依頼を受注するよ」

「はい。『クラーケンの討伐』ですね。詳細は港にいらっしゃる漁師さんにお聞きして下さい」

「ところでだが、今晩ディナーでもどうだ?王族御用達の店なんだが」

「すみませんがお断りします。そのような場所に私は似合いませんので」

「そうかい?似合うと思うんだがね」

「いえいえ、高級な料理を食べてしまいますと、舌がその味に慣れてしまいますので」

「なら、この後ランチでもどうだい?」

「そういうことはすべてお断りしています。後ろがつかえていますのでご協力を」

「・・・・・ときには引くことも大事か。わかった。今回は去ろう」


あぁ面倒くさい。・・・・次の方。


「おはようございます」

「ああ。にしても・・・・いつ見ても別嬪だなぁ。今日の晩、どうよ。アイツ、帰ってきたんだろ?一緒に連れてきていいからさ」

「んー。そうですね・・・・お昼頃に来ると思いますのでそのときに聞いておきます。それで、本日はどのような依頼を?」

「ああ、これを頼む」

「はい、『アーマーレオの討伐』ですね。詳細はどうなさいます?」

「依頼主に聞くからいい。お前さんも忙しいだろう」

「助かります。依頼主は『クノマ村』の村長様です。では、お気を付けて」

「ああ」


次の方。


「よう。今日の晩一緒にどうだ?オマエも楽しませてやるからよ」

「お断りしておきます。それでは、依頼書をお渡しして下さい」

「ほらよ。・・・なあ、なんでダメなんだよ。俺はこれでもAランクなんだぜ?将来性もあるし、なおかつ夜の方は無敵だぜ?」

「『コカトリスの討伐』ですね。詳細は依頼主の方にご確認を。『ラーシャ伯爵』様のお屋敷に行ってこの依頼書をお見せれば通して下さいます」

「・・・強情な女め」


このように、午前中はほぼ休みなくクエストの説明をしたり、デートの誘いや身体の関係を迫る人を捌いたりして過ごした。はぁ、午後は少なくなるからそのときに報告書を終わらせないとな。

〜あらすじ〜


自分の名前の?がいつまでたってもなくならない???、この「?」を外すために神力を発動させようと1週間気合いを入れ続けていた。


???「ヌォォォォ!!!!」


ズズズ。どうですか?


???「あと少し、あと少しで」


それ、何回目ですか?


??ナ「おお、やっと1つ取れたぞ」


オオ、スゴイナァ。


?テナ「また1つ取れたぞ!!まさか、私の名前は『アレ』なのか!?」


サァ、ドウデショウネ。


?テナ「ウォォォォォ!!!!きたぁぁぁぁ!!!!」


ハテナ(バンッ)(←効果音)


ハテナ「結局これかよぉぉぉ!!」


嘘に決まっているじゃないですか。???に戻しますよ。


???「1週間も引っ張ってそれかよぉぉぉぉ!!!!」


ふう。これでじじい呼びは許してあげます。


???「まだ根に持ってたのかよぉぉぉぉぉ!!!」


飴ちゃん、いります?


???「グスッ。いる」


ズンダ飴とのど飴 (ハッカ)とサルミアッキ、どれがいいですか?


???「なんでそのチョイス!?」


そんなツッコミをするアナタにペロキャン(チョコレート味)をあげましょう!!


???「普通にチョコよこせぇ!!」

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