プロローグ2
一応、月に最低2話は投稿する予定です。(書く時間がなかなかない)
「はぁ、やっと帰って来た」
僕の名前はユラン・ノージス・・・・じゃなくてユランだ。僕は公爵家に生まれたけど、魔法が使えなかったからと家を追い出され、平民になった。でも、これは当然のことだと思っている。だって僕みたいな欠陥品、この世に存在する意味がない。何度自殺しようとしたことか・・・・まあ、全部ミリアナに止められたんだけどね。
僕とミリアナは幼馴染であり婚約者でもあった。公爵令嬢だったミリアナは僕と違って何でもできた。なにせ10歳の時点で剣の才能は剣聖様を一方的に倒したり、魔法の才能は賢者様の目を見開かせたり、その回復魔法の才能から教会から聖女になって欲しいという誘いが来たほどだ。
でも、なぜかミリアナは次期剣聖への誘い、賢者の弟子の誘い、聖女認定の誘い、さらに王子との婚約まであったのにそれら全てを蹴って僕と婚約を結んでくれた。何で僕なんかと婚約してくれたんだろう。好意は持っていたから離れる前にダメ元でと思って申し込んだのに。
14歳になり、お互いに教会で才能の判定に行った。その結果、ミリアナは全てのことに才能があることがわかり、僕に魔法の才能がないことがわかった。その結果、僕は公爵家を追放された。ミリアナとの婚約は兄さんが受け継ぐと聞き、僕は僕の中から何かが崩れる音を聞いた。なにせ兄は社交界でも人気で現騎士団の騎士団長だ。間違いなくそっちに転んでしまうだろう。
そう思っていた。
15歳になった頃だった。ミシータ王国を出て離れた場所にあるアルファト王国で冒険者になって薬草拾いでなんとか暮らしていた頃、突然ミリアナが目の前に現れた。なんでも急に僕と会えなくなり、代わりに兄がよく話しかけてくるようになったことに疑問を感じ、しばらく様子見をしていると兄から床の誘いがあったらしい。
そのときに兄から婚約者が兄に変わったこと、僕が公爵家から追い出されたことなどを聞かされたらしい。
それからミリアナの行動は早かった。まずしつこく誘ってくる兄を殴って気絶させ、実家に戻って両親に問い詰めて事実だということを確認すると公爵家との縁を切って僕を探していたらしい。ときには薬や催眠などをしてきた人達もいたらしいけど、ミリアナにはそれらいっさい効かないため逆にボコボコにして憲兵に突き出したりしたらしい。
僕と再会したばかりのミリアナは怖かった。なんでも僕が冒険者になって薬草拾いの報酬や売買などでなんとかボロ宿屋でギリギリの生活をしていることに怒ったらしい。ミリアナが買い物をして戻って来ると僕に料理を作ってくれた。そのとき、僕は1年ぶりに温かい食べ物を口にした。
それからミリアナは水浴びして身体を綺麗にすると僕を押し倒して僕の服を脱がして来た。たしか「2度と離れないようにその身体に教え込む」と言っていた。
その日、僕はミリアナの身体に、ミリアナは僕の身体にお互いを刻み込んだ。
その翌日、ミリアナは受付嬢になっていた。やはり知らないことだからか初めは戸惑っていた。でも、それは次第に少なくなり、僕が最後に見たときにはギルドからの信頼も厚くなっていた。そのときの僕はミリアナに鍛えられていたこともあり、剣だけでゴブリンジェネラルを倒せるようになっていた。でも、最近勇者様が召喚されたことを聞いて僕は強くなるために旅に出ることに決めた。
それから3年後、僕は各地を転々とした。その途中、僕はスキルではないスキルを手に入れミリアナと肩を並べられる自信がつくようになった。
そして今日、久しぶりにミリアナと顔を合わせる。
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今日も勇者様からしつこい愛の囁きを受けて疲れてしまった。だけど、今日はそれすらもいいものだと感じる。なぜなら今日の朝に伝書鳥が来て彼が今日帰って来ることを知ったからだ。そして私は彼の好きなシチューを作りながら彼の帰りを待つ。すると扉が叩かれる音がした。
私は火を止めて急いでドアに向かって走り、そしてドアを開ける。そこには彼の姿があった。
「あ、えっと、その・・・・・ただいま」
「・・・・・・お、お」
「ど、どうしたの?な、何かあったの?」
「お帰りなさい!!」
「え?ちょ、いきな・・・むぐっ!?」
自分でも知らない内に身体が勝手に動き、彼____ユランを抱き締めてキスをしていた。
???「まったく、最近の若い娘はあんななのか。どうだと思う?小僧」
ユラン「え?えっと・・・・言いたいことが言えるっていいですね」
???「・・・・・」
ユラン「あ、いえ、すみません。僕みたいなゴミが言うことじゃなかったですよね・・・・」
???「・・・・・」
ポン(←肩に手を置く音)
???「なんか、ごめんね」