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のんびりしすぎたので久しぶりの投稿になります|ω·`)

季節も冬となり、あたりはすっかり冷え込んでいた。

震える手を温めるため吐く息も白く染まり、風に流れて消えていく。

放課後、俺は学校近くにある繁華街を一人歩いていた。なんとなくだが今日は一人でいたい気分になったのだ。

 

思えば、今年は色々なことがあった。

ぼっちで寂しい日々を過ごしていたのに氷さんを助けてから生活が大きく変わった。

前の学校で一番の美少女と言われていた彼女と友達になれたことは今でも夢みたいだ。


氷さんだけではなく、元国民的アイドルひとみんの火富さん。

なんだかんだ言いながらも仲良くしてくれる猫矢さん。

今ではすっかり意気投合した蚊藤。

他にも話せるようになったクラスメイトが何人かいる。それがどれだけありがたいことか。


適当に繁華街をぶらつき、帰路につく頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。

久しぶりに買ったカツサンドの入った袋を片手に人気のない道を歩く。

思えば氷さんが田中に襲われていたのもこのくらいの時間だっただろうか。

あの時勇気を振り絞ってよかった。

彼女を救えてよかった。


「鈴木君」


突然背後から聞こえた声に飛び上がる。

慌てて振り向くと制服姿の氷さんが立っていた。


「何回も連絡したのに返事がなかったから探したよ」

「え?」


 スマホを見てみると着信歴がいくつも残っている。

 マナーモードにしてたうえ、ボーっとしたから気づかなかったのだろう。


「ご、ごめん! 今日はちょっと一人になりたかったんだ」

「ふーん」


 氷さんが無表情でこちらに近づいてくる。

 怖い。やはり、何も言わず帰ったのがまずかったのだろうか?


 氷さんは俺の前で立ち止まった。

 怖くなって思わず謝りながら目をつぶる。

 

 ―ーふいに俺の冷え切った手が温かくなった。

 恐る恐る目を開けると、寂しそうな表情の氷さんが俺の手を両手で握っていた。


「私はキミと一緒にいたいな」


 顔が一瞬で炎のように熱くなる。

 結局この日はずっと顔が火照ったままだった。


のんびり投稿ですがこれからもよろしくお願いします

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