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迫る悪意

 動物園に行った次の日、案の定俺は筋肉痛に苦しめられていた。連休でよかった、学校があったらこの痛みに耐えられた自信がない。

 ベッドでぐでーと横になっているとチャイムの音が響いた。

怠い体を起こし、玄関を開ける。


「鈴木君これを見て‼」


 土屋さんが血相を変えて家に飛び込んできた。

 何事かと聞く前に一冊の雑誌を突き出される。


「何々『トップアイドルひとみん熱愛発覚か⁉』――これって……!」


 目線で隠してはあるが、間違いなく昨日の俺たちだ。

 ありもしない誹謗中傷がこれでもかと並べられている。

 

「今どこのテレビもこのことばかり放送して、好き勝手言っているの。姉さんに連絡しても『大丈夫』の一点張りで、結局切られちゃった……」


 恋愛スキャンダルの対応に追われているのだろう、誤解なのですぐに収まると思うがこれからの活動に支障をきたす可能性は高い。

 

――俺が火富さんに迷惑をかけてしまったのか?


「鈴木君のせいじゃない、昨日の姉さんはとても楽しそうだった。私以外にあそこまで態度を軟化させた姉さんは初めて見たよ」


 何とかして火富さんの助けになりたい。

 気づけば俺はスマホを取り出し、番号を入力していた。しかし――


「つながらない……? なんで?」


 無情にも通話音が鳴り響くのみ、火富さんに何かあったのか?


「土屋さん、今すぐ火富さんの知り合いに連絡して居場所を聞いてみて!」

「わかった」


 土屋さんが連絡している間に着替えを済ませる。

 何かあった時の為にこれも持って行くことにしよう。 

 

「鈴木君、姉さんはもう事務所を出ていて家に帰っているはずだって。私ももう一度かけてみたけどやっぱりつながらない……」


 ならば、帰り道に何かあったと考えるのが妥当か。

 俺と土屋さんはすぐに家を飛び出した。


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