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みんなで動物園に行こう4


「ふんふふーん」


 鼻歌を歌いながら土屋さんは満足げな表情を浮かべていた。

 その手に持つ袋の中には、ありとあらゆる動物グッズがこれでもかとぎゅうぎゅうに詰め込まれている。本当に動物園内全ての店を回って来たのかもしれない。

 俺とメラ子ちゃんも荷物持ちを手伝うと言ったが、一人だけで楽しんできたと負い目があるのか断られた。もちろんそんなことで引き下がらず、半ば奪い取る形で荷物を手に取ると、思った以上に重かった。


「私に半分任せなさーい!」

「助かる」


 メラ子ちゃんは荷物を持つと、軽い軽いと振り回していた。アイドルってすげー。


「――あっという間の一日だったよ、こんなに楽しかったのは久しぶりだった」

「姉さん……」


 メラ子ちゃんが寂しげに笑う。

 これからしばらく仕事が忙しくなり、会うのが難しくなるらしい。


「だったらさ、写真を撮らないか?」

「写真を?」

「楽しかった思い出を形に残すのさ、ほらメラ子ちゃんのスマホを出して」

「う、うん」


 俺はスマホを受け取り、姉妹の写真を撮ろうとするがメラ子ちゃんに遮られた。


「ちょーっと待った! それならなんでキミも一緒じゃないんだ⁉」

「え? でも俺が入らなくても――」

「むむむー、そういうところは減点! 減点だー‼ キミは氷ちゃんと一緒にいて‼」


 メラ子ちゃんは近くの人に写真撮影を依頼すると俺の隣に並び立つ。自然と反対側に土屋さんが立っていた。


「さあいくよー! いち足すいちは―?」

「「にー‼」」


 カシャリと音が響く。


 後で写真を見せてもらったが、みんな最高の笑顔だった。


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