襲来! 謎の少女
令和最初の投稿です。
まだ陽も沈まない時間帯に俺は一人で下校していた。
いつもなら土屋さんがいるのだが、学校で用事があるらしく一人で帰るよう言われた。
少し寂しく思ったが仕方がない、早く帰ってゲームを楽しもうと気持ちを切り替えていた。
「ヘイ! そこのキミ、止まりなさい!」
突然の呼び止める声に振り向くと、謎の小柄な女性が立っていた。
帽子とサングラスにマスクを身に付けており、嫌でもあの時のことを連想させる。
「だ、誰?」
「キミが鈴木竜一だね? 私のことは――メラ子ちゃんとでも呼んで頂戴。こんな見た目だけど氷ちゃんの知り合いだよ」
「は、はあ?」
そう言ってメラ子ちゃんは指を天に差した華麗なポーズを決める。
正直今すぐ逃げ出したいが、土屋さんの知り合いを無碍にするのも気が引ける。
「ふむふむ、顔はまあまあ。すぐに逃げないのも度胸があるわね……」
こちらを見ながら一人頷く姿は正直不気味だ。
マジで何者なんだ?
「そ、それでメラ子ちゃんでしたっけ?」
「おーっ‼ ちゃんとメラ子ちゃんって呼んでくれるなんて嬉しい! そこはポイントが高いなー‼」
メラ子ちゃんは嬉しそうにばしばしと肩を叩いて来る。
この人めちゃくちゃ馴れ馴れしいな。
「い、一体何の用なんですか?」
「あー……言い忘れてたね。氷ちゃんの新しいお友達に興味があったの、だから仕事の合間を見て駆け付けたわけ!」
仕事をしているってことは一応社会人、なのか?
それにしてもずいぶん小柄だ、百五十センチぐらいか。
「ぶっぶー! 今私の身長について考えたでしょ? そういうのは減点ポイントだなー!」
メラ子ちゃんがマスク越しでもわかるほど、頬を膨らませながら抗議する。
何だか話していてとっても疲れる、早く帰りたい。
「そ、そうですか。それじゃあ俺はこれで――」
「ちょーっと待った! せっかく会えたのにこのまま帰すわけないでしょ!」
逃げようとしたら腕を組まれてしまった。
あ、いい匂い――じゃなくって! む、胸に腕が当たって――!
「むふふー! 今から私といろんな場所に行こうじゃないか。エスコートは任せたよ!」
こうして、俺はメラ子ちゃんと遊んで回ることになってしまった。
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