表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スクールカースト  作者: 久川梓紗
バレー部キャプテンと美術部少女
7/11

7

 朝になるとLINEに新しいクラスグループが出来ていた。参加者36人。昨日の放課後に作られたグループにしては集まりは上々だ。



 そこには朝8時過ぎに一言。


 〈ぜひ今日の昼の放送聞いて〉


 差出人は不明だ。


 そのアカウントはもう削除されたのかUnknownと書かれている。


 その差出人不明のアカウントに


 〈了解ー!〉


 〈なに、何かあるの?〉


 〈てか、お前誰だよw〉


 〈作ってそうそうアカウント無いとかおもろいな笑〉


 〈でもほら、グルに入っていない誰かってことじゃない?〉


 〈けど2つアカウント持ってるやつがいるかもしれねぇじゃん〉


 〈あー確かに〉


 〈どうやって俺らの集めたんだろうな〉


 〈そう考えると怖いね〉


 〈まじこれ作ったやつオモロ(´^д^`)〉


 〈将来詐欺とか出来るんじゃないか?w〉


 〈それは怖すぎ((((;゜Д゜)))〉


 〈てか、SHR始まってんだけど〉


 〈お前だってスマホいじってんだから共犯〉


 〈てか、既読が28の時点でほとんどの奴らが共犯な〉


 〈えぇー〉


 〈たった一言でこんな話繋がるのかw〉


 〈とりま、今日も授業頑張りましょー〉


 〈そだねー〉


 〈ほーい〉



 SHRの時間、ほとんどの生徒がスマホをいじっていることに担任は気づいているのだろうか。


 多分、気づいているけれど注意をしない。と言った所だろう。


 教壇の真ん前にいる裕希は流石にスマホに触っていないが、裕人はスマホを触っている。


 LINEのトーク画面を見ていたようだ。



 裕人の前の席の山口は彼と同じくスマホを触っている。けれど、彼はスマホ画面は見ていない。



「なーにしてるの?」


 裕人が山口のスマホを机から乗り出し覗き込もうとする。



 近づいてくる人影に気づいたのか山口は慌ててスマホを机の中にしまった。


 それから後ろに振り向いて安堵する。


「なんだ、水無瀬か……」


 後ろにいたのが先生とでも思ったのだろうか、山口はそう安心した素振りを見せた。


「何してたんだよ」


「何もしてないよ」


「スマホ途中じゃないの?」


「いや、もう終わった」


 二人の会話はいつもこうだ。特に深いことは聞き合わないというかつまらないと言うか。

 どこか内容が掴めない感じの会話しかしない。


 だから、とてもつまらない。



「裕人」


「裕希!」


 裕希が何日かぶりに裕人の元へやってきた。

 裕人は嬉しさのあまりか目を輝かせている。


「あのさ、今日話しが」


「水無瀬くん」


 裕希の後ろから相川の声が聞こえてきた。

 今日も相変わらず暗い感じだ。


 裕人はなんだよ。と言わんばかりの鋭い目付きで彼女を見た。


 彼女は怯むことは無くそのまま続ける。

 こういう時彼女はあまりのことを気にしない人なのかもしれない。


「ちょっと来て」


「えっ、ちょっと相川さん?!」


 強引に手を捕まれ裕希は裕人達を後にすることになった。


(んだよ、アイツ)


 強引に自分の元から離れるもととなった彼女を見て裕人は舌打ちをする。


「なんか、弟くんも大変そうだねー」


「意味わかんねぇ」


「ご機嫌斜めのようで」


 その光景を見ていた山口が裕人に話しかけたが、裕人は彼女の言動に苛立ちを覚えていたようで相手にしない。


 ま、いっか。といった様子で山口は前を向いた。





「これ、見てほしいの」


 無理やりつけてこられた教室の片隅で裕希は仕方なく彼女の開くスマホの画面を見る。


 〈ぜひ今日の昼の放送聞いて〉


「なにこれ?」


 彼女から見せられたトーク画面にはその言葉に繋がって返事がいくつも書いてあった。


「私のスマホじゃないんだけど、今朝クラスのほとんどの人がこのグループに集められてこの一言があったって」


 彼女の後ろを見るとよく彼女と一緒にいる女の子の1人が隠れている。きっとこのピンクのスマホは相川の後ろに隠れている彼女のものなのだろう。


「その発言者は?」


「分からない」


 トーク画面をよく見てみると発言者のアイコンは黒くなっている。きっとアイコンをタッチしたらUnknownと書かれているのだろう。

 そうでなければ病んでる。


「水無瀬くんも知らなかったのか」


「知らない。相川さんはどうして?」


「この子から聞いて知った」


 相川がこの子と自分の後ろに隠れている小柄の子を指す。


 彼女は裕希と目を合わすと一瞬ビクリと肩を震わせてからぺこりと挨拶をした。


 それにつられて裕希も返す。


「でもこれがどうしたの?」


「変じゃない?」


「変?」


「クラス全員では無いクラストーク。それに私の友達なんて本物のクラスグループにも入ってないのに招待されてる。それもいつの間にか」


「その友達のLINEを知ってる人が招待したんじゃ?」


「してない。その子のLINEを知ってるのは私たちだけ。けど、私達は誰も彼女を招待なんかしてない」


 “私たち”と言うのはきっと相川といつも一緒にいるグループの子達のことだろう。きっと彼女の後ろに隠れている彼女も含まれている。


「そんなこと、出来るの?」


「分からない。けど、そうなってるんだから出来るんだろうね」


 彼女は細かいのか楽観的なのか、雑なのかよく分からない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ