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ただの平民ですが、前世の私が凄いことになっているのですが……!?

作者: アリエ
掲載日:2016/03/03

「なんですか、これ……」

私はどこにでもいる平民の家に生まれたどこにでもいる少女だ。

少し見た目がいいとかで村の中では4番目ぐらいと微妙に人気があるらしい。

それでも前世の私に比べてしまえば、どこにでもいるようなの女の子の一人だ。

まぁ、どうやら私は転生というものをしたらしい。

今から70年ほど前に婚約者に濡れ衣を着せられ、処刑されてしまったとある令嬢でした。

私は現在、12歳から望めば誰でも入ることのできる中央の学園にいる。

当時の事をふと思い出したので学園の図書館で調べてみようと思ったのだ。

今でも思い出すと腸が煮えくり返るが、どうやら、私を嵌めた婚約者である当時の第2王子は私が死んだあと、反逆罪で処刑されたようだ。

ざまぁみろ。

そうして、第2王子の事を知ることができた。

恨みは晴れないが何とか溜飲が下がった。

そんな私が驚愕しているのは前世の私が偉人として書かれていることだ。


いわく、すべての国民に知識を普及させるために学園を開設した。

いわく、強大な力を持つ魔王を倒した勇者。

いわく、今まで誰も無しえなかった魔術の新体系を作り出した賢者。

いわく、誰よりも美しい美貌の持ち主で毎年の流行を生み出していたファッションリーダー。

いわく、その才能を羨み、婚約者に殺された悲劇のヒロイン。


ちょっとまて、なぜ、こんなに色々やったことになってるの!?

確かにこの学園の設立には私も関わってる、スポンサーとして。

知り合いの冒険者のエルフにこの知識を多くの者に広めたいのだがどうすればいいのかと相談されたのだ。

私が当時通っていた学園で尊敬していた教師の方を紹介し、小さな塾のようなものを作る事になったので冒険者として稼いだ資金を提供したのだ。

なぜ令嬢が冒険者をしているとかはスルーしてください、若気の至りです。

なので、私が知っているのは塾が出来たとこまでだ。

なぜ、それが学園になっているのかは謎だけど、あのエルフは学園長なんてやっていたので機会があればあとで質問してみよう。


次の勇者はよくわからない。

魔王……、魔王って誰だ。

たしかに冒険者時代はやんちゃしていた。

ドラゴンと戦ったり、獣人族の姫様を助けたり、神を名乗る怪しい人を倒したり、いろいろやっていたけど、魔王というものとは戦ったことは無い。

知り合いのお兄さんに貰った剣を持って、魔術師のエルフや護衛としてついてきた騎士を目指してる幼馴染、他にもエルフより弓が上手い女の子や飲んだくれの吟遊詩人が仲間となり大陸中を駆け回った。

それも私がお父様に連れ戻されるまでの間の3年間だけ出来事だったけど。

その3年の間に魔王と戦ったことのないのでデマ情報だろう。

ちなみに幼馴染は救国の騎士として載っていた。

おぉ、立派になっちゃって、お姉さんは嬉しいわ……。


魔法はなんとなくわかる。

おそらく、今でいう無属性の魔法や無詠唱の事だろう。

あれはただの魔力を効率よく撃ちだしてるだけの楽するための物なんだけど……。

当時の魔法体系は火、水、風、土の4属性だけだった。

その魔法を使おうとするたびに長ったらしい呪文を唱えないといけなかったのだ。

誰が好き好んで、簡単な物でも5節もある魔法を戦闘中に唱えなきゃいけないのか。

エルフと一緒に魔法めんどくさいという話で盛り上がり、気付けば無属性の魔法ができていたし、無属性限定だけど無詠唱もできるようになっていた。

制作時間は二晩くらい。

エルフは何かそれでコツをつかみ、すべての呪文を無詠唱でできるようになったらしい、天才が憎い……。


美貌……、まぁ、前世の私は美しかったからね!

けど、流行を生み出したはちょっと待ってほしい……。

なぜかみんな、私の真似をしてくるから怖かった記憶しかないんだけどね!

連れ戻されてからはほとんどの夜会に連れまわされましたからね……。

あの時のファッションだって、着飾ることが好きな弓の女の子の着せ替え人形になっていただけなんです。

あ、弓の女の子は連れ戻された時に一緒についてきて、我が家のメイドになりました。

みんなが真似すると分かった時の弓の女の子のその挑戦、受け取った!という言葉は今でも覚えている。


悲劇のヒロインはないわー。

それに第2王子はただ浮気を隠すために、私をよく物語にある悪役令嬢みたいものにしただけだし。

全部の証拠を捏造、処刑のごり押しと私が反論する間もなく処刑されてしまったのだ。

まぁ、そのことで私というS級冒険者がいなくなってしまったのを王様にばれ、反逆罪で処刑されたらしい。

ん?なんでS級冒険者が簡単に処刑されたのかって?

さすがの私でもいろんな毒物流し込まれたら動けなくなるって。

油断している所を狙われ、東洋の虫毒から果てはヒュドラの毒まで様々な毒を混ぜ合わせたものを飲まされた。

おかげで、身体は痺れ、喋ることもできずに処刑されてしまった。

あ、悲劇のヒロインうんぬんは飲んだくれが広めたことだと思う、勘だけど。


さて、そんなこんなですでに夕方だ。

周りにはすでに誰も生徒がいなく、閉館の時間が迫っていた。

やばい、早く寮に戻らないと夕飯が抜きになってしまう。

あのエルフに会うのはあとでいいだろう。

それよりも今日の夕飯は月に1度の寮母さん特製シチューなんだ。

これを逃すことは何よりも罪深い。

というわけで、さっさと本を片付けて帰ろ……

「おい、どこに行く」

図書館のドアを開けると70年経つのに見た目の変わらない人が立っていた。

「えっと、学園長様、今から寮に帰るところです」

だから、半眼で睨むのやめてください。

「……そうか、では、暗いことだし送っていこう」

「いえいえ、寮まで近いですから平気です、ではさようなら!」

たぶん、気付かれているが、今はそんなことよりシチューなんだ!

今捕まったら、シチューが食えなくなる!

脚力を魔法で全力強化して駆け出す。

はっはっは、今、私は一陣の風になる!

そうして、寮まで最短記録で駆け込んだ。

ブレーキが間に合わず、ドアをぶち割ったおかげ、シチューが食べられなかったけどね!

寒空の下、ドアを修理しながら、これも食べられなかったのもアイツが悪いとブツブツ言いながら夜が更けていった。


次の日、学園全体に多忙で普段いないことになっている学園長直々に放送で呼び出されて注目を浴びることになることをまだ私は知らない。

2016/03/06 誤字修正

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >月に1度の特性シチューなんだ。 “特性”ではなく“特製”ではないかと。 もし、特殊なスキル等がつくみたいなシチューだったとしたら、スミマセン。 [一言] もしかして、例のクズ王…
[一言] >>いわく、すべての国民に知識を復旧させるために学園を開設した。 普及では?
2016/03/03 12:48 退会済み
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