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恋愛実践録94

白昼堂々と、旦那が愛人と落ち合い、崩れた戦略を見直す。

白昼堂々と、旦那が愛人と落ち合い、崩れた戦略を見直す。





喫茶店の中、旦那から姫と呼ばれている愛人が旦那に告げる。





「貴方が今も尾行されている事は間違いないわ。でもその尾行している相手が特定出来ていないのよ…」





旦那が渋面を作り言った。




「姫の周囲には、この手の事柄のプロ集団が張り付いているのに、特定出来ないのか?」




愛人がおもむろに頷き答える。





「そうね。相当やり手のプロね。こちらもあらゆる角度から洗い出しているのに、尻尾を掴めないのよ。まるで忍者のような奴なのよ」



旦那が腕を組み、息を吐きだしてから言った。





「見えない影みたいな奴だな。組織立って動いているのは間違いないだろうから、その動きが特定出来ないと言うのは恐ろしい敵だな。こうなると俺も下手に動けないし、あのホストにも迂闊には手が出せないという事か。しかし、姫、外部の者ばかりに眼を取られていないで、こちら側に内通している者がいる可能性もあるじゃないか。その線はどうなのかな?」





愛人が頷き言った。





「それも今指示を出して探索中よ。ここはとにかくその者を何とか洗い出して、本妻側から引き離すのが先決ね。あのホストも本妻も丸腰にしないと、迂闊には手を出せないわ」




旦那が頷き答えた。





「そうだな。女房がどのように金を運用しているかの内偵特定も出来ないし、ここは俺も女房に張り付いている意味合いが無いから、一旦引いて再度家を出るしかないな…」





愛人が頷き言った。





「そうね」

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