表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/163

恋愛実践録83

「これは既に戦争、応酬戦なのです。私を甘く見ないで下さい」と客は旦那に言った。

車の助手席に乗った客が自分の電話でホスト亭主に連絡を入れたのだが、繋がらないのに苛立つ。





それを横目で見遣り、旦那が押さえ付けるような口調で言った。





「まだ気絶したままだから出ないだろう?」





客が留守録に「すいません、返信を下さい」と入れ、電話を切ったのを見計らい、旦那が念を押すように言った。





「こうして俺達は寄りが戻ったのだから、あの男の事は諦めてくれ。むしのいい話しかもしれないが、俺は浮気に決着をつけたのだから、お前も浮気に決着をつけてくれないか?」




客が心配事を吐き出すように深呼吸してから改まった口調で言った。





「私はこのの浮気騒動がこれで決着がついたとは思っていません。と言うよりは、私達は既に復讐劇の応酬戦のただ中にあり、その憎しみや怨嗟がこの程度の猿芝居で抜けると考える程、私は甘くはありません…」





旦那が顔をしかめ言う。





「それはどういう意味だ?」





客が般若の如く顔付きをしてから言下に言い放った。





「これは既に戦争なのです。あなた方が罠を仕掛ければ、こちらも罠を仕掛けれるまでです。私を甘く見ないで下さい…」





「俺は罠なんか仕掛けていないぞ。それが証拠に俺はお前に危害なんか加えていないじゃないか?」





客が再度答える。





「これは応酬戦なのです…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ