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恋愛実践録82

急速に襲って来た睡魔に抗う事も出来ず、ホスト亭主は脱力したままに涙ぐんでいる重い瞼を閉ざした。

身体のほてりを感じ、ホスト亭主は瞼を開き眼を覚ました。





足腰や手に無数の打撲傷があり、それが炎症を引き起こしていて、熱を持ち激しく痛む。




周囲に人の気配が無いのを感じ取り、ホスト亭主は重く脱力している手足が動くかどうか試してみた。





手足共にほてる鈍痛があり、痺れているのだが、何とか手の指は動き、その右手を少しづつ動かして行き、ホスト亭主は電話をポケットから取り出し、手にした電話の異変に気がついた。





電話は自分の物ではなく他人の物で、電源は入っているのだが、電波ゲージが立っておらず、救急通報しても一切繋がらない。




すり替えられたと感づき、ホスト亭主は動揺し困惑する。





何の為にという疑問符が頭を擡げるが、当然の如く答えは出ない。




ただ電話が繋がらないという事になると、この半身不随的危機的状況を脱する事は不可能という考えが閃き、ホスト亭主はうろたえ、震え出し、混乱する。




いずれにしろ立ち上がり、歩けるかどうかが先決なので、ホスト亭主は両手をつき、何とか上体を起こして、踏ん張って立ち上がろうとしたが、出来ない。





痛みと痺れに冒され足腰に力が入らないのだ。





どうやっても踏ん張りが効かないので、ホスト亭主は一度深呼吸してから、ゆっくりと身体を横たえ、乱れた息を調え、体力を消耗しているのか、急速に襲って来た睡魔に抗う事も出来ず、脱力したままに涙ぐんでいる重い瞼を閉ざした。

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