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恋愛実践録80
「影に成り切り、純愛を押し通したんじゃないの。影に純愛なんか有り得ないのに、本当に愚かしい影さんよね。馬鹿な男」と愛人がせせら笑った。
再度愛人が旦那からの合図を聞き付け、ボディーガード達に指示を出した。
「電話をすり替えて、悶絶させなさい」
その指示に従い、スキンヘッドのボディーガードがホスト亭主の電話をすり替えたのと同時に、長身のボディーガードがホスト亭主の急所に前蹴りを入れて、ホスト亭主は身体を小刻みに痙攣させ、呻き声を出しながら悶絶した。
長身のボディーガードが伺いを立てるように愛人に尋ねる。
「これでいいですか?」
愛人が頷き答える。
「あの馬鹿女にはそれで見分けが付かないだろうし、それでいいわ。この影さんが生還出来るかどうか見物ね」
スキンヘッドのボディーガードが悶絶しているホスト亭主を見下ろし、鼻を鳴らしてから言った。
「しかし、こいつ、結局一度も叫び声を上げませんでしたね?」
愛人がせせら笑い答える。
「影に成り切り、純愛を押し通したんじゃないの。影に純愛なんか有り得ないのに、本当に愚かしい影さんよね。馬鹿な男」




