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恋愛実践録63

「そうです。貴方が私を冷酷に棄て去る事が、私達が交わした宣誓の遵守となり、ひいては永劫なる愛の結実となると私は信じて止まないのです」と客は言った。

客が続ける。





「そして貴方が私に寄り添う無言の影になり、物申さず寄り添い、冷徹なる眼差しで私の三者会談を見届けてくれる事は、二人が交わした宣誓の最終履行、最終遵守に繋がると私は思うのです」





ホスト亭主が固唾を飲み尋ねる。





「それは自分が冷酷に貴女を助けないと言う意味合いで、さようならの別れの宣告を交わすと言う事ですか?」




客が涙を吹っ切るようにしきりに頷き答える。





「そうです。貴方が私に寄り添う冷酷無惨なる影になり、私を残酷に突き放し棄てる事が私達の宣誓の遵守であり、貴方の仕事や家族を護る永劫なるさようならとしての私達二人の愛の結実だと、私は思うのです…」




「貴女を冷酷に棄てる事が、貴女への最愛の証となると言うのですか?」





客が眼に一杯に溜めた涙を白いハンカチで悲しげに順次拭い、言った。





「そうです。私を冷酷に棄て去る事が、私達が交わした宣誓の遵守となり、ひいては永劫なる愛の結実となると私は信じて止まないのです」





ホスト亭主が強く主張する。





「それは単なる希望的観測ではありませんか。それに依り貴女の命が失せてしまえば、それは絶対に本懐ではありませんよね?!」





客が涙ぐんだまま首を振り答える。





「いえ、例えどんな形になろうとも、それが永劫なる愛の証であり、交わした宣誓の履行遵守だと私は信じたいのです。断じて…」

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