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恋愛実践録59

客から電話が掛かり、ホスト亭主は取り急ぎ指定された喫茶店に赴いた。

夕暮れ。





客から直接電話が入り、それが罠で無い事とホスト亭主は判断し、指定された喫茶店に取り急ぎ赴いた。





先に着席していた客がホスト亭主を仰ぐように見上げ会釈し、引き攣ったように微笑んだのを見て、ホスト亭主は微笑み返してから、着席しおもむろに告げた。




「やつれましたね。でも良かった。貴女が無事でいてくれて。愛人が自殺したとかいうデマも飛び交っていて、一時はどうなるかと気を揉みましたよ」





客が再度会釈してから答える。





「すいません。色々と迷惑掛けてしまって。でももう心配には及びません…」




ホスト亭主がテーブルに置いたコーヒーに口をつけてから尋ね返した。





「…と言うと?」





客が恭しく顎を引き頷いてから答える。





「今度旦那を交えて愛人共々三者会談する運びとなりましたから…」





ホスト亭主が驚き眼を見開いて尋ねる。





「直接相手と会って話しするのは無謀なのではありませんか?」





ホスト亭主が心配してくれたのを、客が喜び眩しい程に微笑んでから、一度浮かんだ涙をハンカチで拭ってから言った。





「大丈夫です。私もう憎しみとか失せたし、愛人に旦那を熨斗をつけて、くれてやろうと思っていますから。それで蹴りをつけて、この乱痴気騒ぎに蹴りをつけますから。心配掛けて本当に申し訳ありませんでした」

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