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恋愛実践録56

「本当に悔いは無いのか?」とホスト亭主は自問自答を繰り返す。

卑劣なる手段を講じ、虚々実々の情報を流し、仕事仲間を巧妙に騙す行いは、転じて正義と呼べるのものなのかと、ホスト亭主は自問自答する。





「客の辛抱真心に応え、敵討ちを手伝うこの行いは、表面上汚れた装いを呈しているが、けして卑劣なる行為ではなく、偲ぶ恋の言わば結実、顕在化であり、ピュアな意味での我が恋心の発露だと思う」





「だが、所詮そのような大義名分があろうとも、人を騙し、その結果他人が傷付く結果を招くのならば、結局それは汚れた行いに他ならないではないか。違うのか?」





「これは所謂情報戦争であり、その大義名分を掲げた熾烈なる戦争の結果、死者が出るのは、こちらも殺される可能性を含みにして、やむを得ないではないか?」





「その大義名分も実らぬ恋の単なる独りよがり、幻想の顕れならば、正に虚々実々の言葉通り虚しくはかないだけの行いでしかないと思うが、どうだろう?」




「いや、例え泥に塗れ、それがどんなに卑劣なる行為の装いを纏っていても、そして例え辛くはかなく実らぬ恋であろうとも、今を燃え上がった美しい恋の顕在化であり、ピュアな我が心の顕れだと俺は断じたい…」





「それは自分の心に嘘をつき、ごまかす事でしかないと思うが、どうだ?」





「けして実らぬ恋であろうが、己の心に嘘をつく恋であろうが、我が恋心は、この大義名分で燃え上がり、恋心の炎を燃やしているのだから、悔いは無いさ」





「本当に悔いは無いのか?」





「悔いを残さないように、大義名分を己に言い聞かせ、今この一時の恋心俺は燃やしているのさ」





「それでいいのか?」





「それしか道が無ければ、その道を正々堂々と歩くしか、正に道はないだろう。俺はそう思う。それ以外無いと思う」

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