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恋愛実践録50
「何時後ろから刺されてもおかしくは無いと言う事か?」とホスト亭主はホスト仲間に尋ねた。
ホスト亭主が尋ねる。
「これから俺に難儀が降り懸かるというのか?」
ホスト仲間が答える。
「当然だ。お前はこの国でも有数の権力を持つ資産家の令嬢を敵に回したのだからな。難儀どころではなく、身に危険が及ぶ事をも想定覚悟した方が良いだろう」
間を置きホスト亭主が動揺する心持ちを押し殺すように尋ねる。
「何時後ろから刺されてもおかしくは無いと言う事か?」
ホスト仲間が断言する。
「そうだ」
ホスト亭主が深呼吸してから尋ねる。
「客の旦那の消息はお前に情報は入ってはいないのか?」
ホスト仲間が改まった口調で答える。
「それは入ってはいない。その辺りが突破口になるかもしれないから、お前自身で探索してみる必要性はあると思うぞ?」
ホスト亭主が眼を細め電話口に向かって答えた。
「分かった」




