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恋愛実践録49

「そうかな。俺には恋は盲目的に熱くなっているようにしか見えないぞ」とホスト仲間は言った。

ホスト亭主が尋ねる。




「しかし最初に略奪愛を仕掛けたのは愛人であり、その結果客は堪らない程の寂しさを味わった結果の復讐劇なのだから、客は被害者と呼べるのではないのか?」





ホスト仲間が否定する。





「お前は正義感よろしく義憤に燃えて、愛人を陥れる行いに着手したわけだが、それとて客観的に見れば到って卑劣なる行為であり、泥沼合戦の一端であり、到底美徳には見えないと俺は思うが、どうだ?」




ホスト亭主が言葉に窮したところで、ホスト仲間が畳み掛ける。





「お前が客に同情し義憤に燃えて、行ったであろう卑劣なる行為が、泥沼合戦を益々加速させ、深化させ、お前はその泥沼にはまり込み、あの愛人の慰み者の玩具に成り下がってしまったわけだ。これは明らかにお前の一人よがりの猿芝居なのだが、既にお前は愛人にとっては明らかなる敵となっており、泥沼からはい出す事は不可能だと俺は思うが、どうだ?」




ホスト亭主がため息交じりに息をつき尋ねる。





「収拾はつかないと言うのか?」





「収拾がつかないからこその泥沼合戦ではないか。お前は騙され嵌められて、その泥沼に自ら入った事に早く気がつくべきだろう。変な恋慕は棄てて、自分の足元を冷静に見たらどうだ?」




苦し紛れにホスト亭主が否定する。





「俺は客なんかに恋慕などしていないぞ…」





ホスト仲間が辛口に続ける。





「そうかな。俺には恋は盲目的に熱くなっているようにしか見えないぞ…」

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