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恋愛実践録41

フードコートで唸り鳴る電話を恨めしげ見詰めて娘が「うざい」と言った。

遊園地で遊び疲れ、フードコートで親子三人食事をとっている時、ホスト亭主の電話が鳴った。





電話の相手は客で、それを横目で黙認し、ホスト亭主はスルーを決め込んだ。





けたたましい電話の着信音が消えた後、ホスト亭主は機転良く善後策として電話をマナーモードに切り替えたのだが、まるでストーカーの如く、切れては鳴るの電話着信が間断なく続くのを見兼ねて、妻が顔をしかめ、諌めるように助言した。




「客でしょう。一旦出てから、後で電話するように言ったら?」





ホスト亭主が妻の提案を首を振り退ける。





「いや、出たら用件が長くなるから、出ないでとりあえず放置しておけば、そのうち諦めると思うんだ」





食事を摂っている娘がホスト亭主の唸るバイブ音を恨めしげに見詰めてから言った。





「うざい」





着信音は10分以上ホスト亭主を苦しめ困らせるように執念深く鳴り、止みが続いた後、ようやく収まり、ホスト亭主は脇の下に流れた汗を擦るように袖で拭った。

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