恋愛実践録35
「だから私と貴方が協調して成果を上げた筈の復讐は、逆に私に降り懸かったのです。だからこの戦いは泥沼化しただけで、未だ収束は見ていないのです。逆襲され追い詰められている私を助けて下さい。このままでは、あの愛人の思う壷ですから。お願いします!」と客は言った。
客が涙を拭い言った。
「愛人は私の復讐に対して、新たなる愛人を立てて、旦那を叩き出し、意趣返しをして来たのです。私の心理状態がこうなる事を予測して、復讐に対する復讐を仕掛けて来たのです。だから私と貴方が協調して成果を上げた筈の復讐は、逆に私に降り懸かったのです。だからこの戦いは泥沼化しただけで、未だ収束は見ていないのです。逆襲され追い詰められている私を助けて下さい。このままでは、あの愛人の思う壷ですから。お願いします!」
ホスト亭主が眼を見開き、動揺するのを隠せないままに答える。
「旦那さんは行き場を無くし、縋り付いて来たのならば寄りを戻せば、愛人には勝てた事になりますよね?」
客が溢れる涙を流しうろたえる口調のままに言った。
「私の心には既に貴方しかいないのです。でも貴方は家庭を捨ててまで、こんな私を助けてはくれない。こうなるのを緻密に計算して愛人は仕掛けて来たのです。だからこの窮状を救えるのは貴方しかいないのです。どうか私を助けて下さい。お願いします?!」




